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「紅海の真珠」と謳われた古都、マッサワを旅しよう!

さて、前回に引き続きエリトリアの観光ガイドを載せていきます。今回は紅海沿岸の古都、マッサワの観光ガイドです!ちなみにエリトリアでは一番好きな街でした。

 

⬛︎マッサワ Massawa, Massaua
ー珊瑚で築かれた「紅海の真珠」ー

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マッサワ旧市街遠景

地方区分:北紅海州
北紅海州の州都で、エリトリア最大の港湾都市。「紅海の真珠」と称される美しい古都で、古くから紅海交易で栄えた。アスマラから向かう際は、高度2300mから一気に下るため、気候の差に驚くと共に、耳が聞こえづらくなる。そんな時は欠伸をしよう。


紅海沿岸に進出したイタリアが、アッサブに次いで領有した港でもあり、エリトリア植民地成立後は最初の首都が置かれた。元々、マッサワは島であったが、イタリア植民地時代に交通を円滑化するために島の間に埋め立てて道路とパイプラインを建設した。
イタリア植民地時代にはイタリア海軍の紅海艦隊(フロッタ・デル・マル・ロッソ)の母港が置かれ、軍事的にも重要拠点となる。第二次世界大戦時、同盟国・日本に訪れて本場のイタリアンを伝えたイタリア人料理人達も、このマッサワから訪れたということは興味深いだろう。


エチオピア支配期にはエチオピア海軍の母港が置かれたため、独立戦争期にはエリトリアのゲリラ軍が「フェンキル作戦」で陸・海双方から奇襲を仕掛け、巧みにこれを奪還した。しかし、エチオピア軍はその報復としてマッサワに絨毯爆撃を行い、多くの歴史的な建物が破壊されてしまった。
現在はエリトリア最大の港湾、そしてエリトリア海軍の軍港として機能しているほか、リゾート地としても開発がされている。


◆アクセス
車→アスマラから約2時間。険しい峠道だが、路面状態は良いため快適なドライブが楽しめる。
バス→アスマラからバスがある。約3時間。
鉄道→アスマラからの鉄道路線があるが、2019年12月現在、旅客路線は運休中。
航空機→マッサワ国際空港。2019年12月現在、定期路線は国内線・国際線共にない。
船→ダイビングスポットとして知られるダフラク諸島への船便がある。


◆マッサワの名所
◇旧皇帝宮殿

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マッサワの旧皇帝宮殿。

 

16世期にオスマン帝国によって作られた宮殿。イタリア植民地時代はマッサワ市庁舎として使われ、エチオピア支配期にはハイレ・セラシエ帝の宮殿として使われた。周辺の宮殿も皇族たちの宮殿。独立戦争期のエチオピア軍による爆撃によって、現在のような無残な姿になった。戦争時の悲惨さを語り継ぐために廃墟のまま保存されている。


◇旧イタリア銀行

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旧イタリア銀行

1920年代に造られたイタリア植民地時代の豪奢な作りの銀行。現存するアフリカ最古の銀行建築である。修復されて高級ホテルに改装する案がクウェート企業によって立ち上がっているが、2019年12月現在、そのままの状態で保存されている。


◇オテル・トリノ(ホテル・トリノ)

 

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左側に見えるのがオテル・トリノ

1930年代後半に造られた、マッサワ旧市街を入って最初に目に入るイタリア建築。イタリア人建築家、ウーゴ・ラーマの設計。イタリア植民地時代からホテルとして使われており、独立後もホテルとして営業していたが、2019年12月現在はホテルは閉業している。


◇マッサワ・タウルド駅

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マッサワ・タウルド駅

タウルド島に位置するマッサワのターミナル駅。マッサワ-アスマラ線の始発駅であり、全イタリア植民地の駅舎でも最も最初期に造られた駅である。巨大な駅舎内は住居としても使われている箇所もあるため、撮影時は注意しよう。


◇マッサワ・ポルト

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マッサワ・ポルト

 

マッサワ島の港湾部に位置する小さな鉄道駅。バス停としても使われている。線路は港湾内に続いており、ここから鉄道に貨物を乗せて内陸部に輸送する。


◇シャヒ・モスク

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シャヒ・モスク

11世期に作られたアフリカ最古のモスクの一つ。1920年代の地震で倒壊したが、その後イタリアの手により再建された。


◇シェイル・ハマル・モスク

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シェイル・ハマル・モスク

 

1580年に造られたモスク。サンゴを削って造られたマッサワらしい建築。


◇マッサワ島の古住居群

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古住居のバルコニー

マッサワ旧市街の古住居はサンゴを用いて作られている。これはマッサワ島自体がサンゴによって形成されていることに由来し、材料としてサンゴが活用出来たため。初期の建築はサンゴをそのまま積み上げただけだったが、後にサンゴをブロック状に削り、まるでレンガのようにして建物を作った。


◇マッサワ港
エリトリア最大の港湾。港湾内には7世期頃の初期イスラーム建築がある。
観光客は立ち入りが禁止されているため見る事は出来ないが、レプリカが州立博物館に展示されている。


◇グルグッサム・ビーチ

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グルグッサム・ビーチ

マッサワ近郊にあるビーチ。海水浴場として知られ、ビーチではラクダとの撮影も可能。旅の記念に良いだろう。遠浅のビーチで溺れる心配もないし、水温も丁度良く海水浴が楽しめる。海辺のテラスでは飲み物や軽食もある他、土産物の手芸品も売られている。貝殻のネックレスが30ナクファ。Gurgussum Beach Hotelが併設。


◇聖マリア聖堂

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聖マリア聖堂

 

タウルド島の入り口にある、ステンドグラスが美しい正教会の聖堂。1953年完成。エチオピア皇帝ハイレ・セラシエが毎年参拝に来ていたことで知られる。


◇マッサワ戦没者追悼公園

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マッサワ戦没者追悼公園

エリトリア独立戦争時にエチオピア軍からゲリラ軍が鹵獲した戦車をモニュメントとして飾っている変わった公園。マッサワ戦の戦没者を追悼するために造られ、正面にはイサイアス大統領の碑文が刻まれている。中央の戦車はエリトリアのゲリラ軍が1977年に初めてエチオピア軍から鹵獲した戦車である。


◇北紅海州立博物館

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北紅海州立博物館の所蔵品、ハイレ・セラシエ帝のベッド

 

本土側のマッサワ新市街に位置する博物館。2000年にアスマラエリトリア国立博物館の分館としてオープンした。午後の部は16時半から開館。入館料は無料。

マッサワを中心とする北紅海州の自然や民俗、歴史などに関する博物館である。内部は5つのブースに分かれており、北紅海州の自然や生物を扱ったエリア、アドゥリス遺跡などの考古学エリア(撮影制限あり)、紅海沿岸の多様な民族を紹介するエリア、他国勢力のマッサワ支配期の歴史についてのエリア(イタリア植民地時代の資料が多い)、独立戦争期のエリアがあり、前半後半で1人ずつガイドがついて説明してくれる。旧皇帝宮殿から移動されたハイレ・セラシエ帝のベッドや、独立戦争期の多種多様な兵器や装備などが注目。


◇マッサワ沖の沈没船

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州立博物館から見えるマッサワ沖の沈没船

 

マッサワ沖には、第二次世界大戦時のマッサワ包囲戦で沈んだイタリア海軍の水雷艇「オルシーニ」や、フェンキル作戦時に撃沈されたエチオピア海軍艦艇等が沈んでおり、州立博物館近くやRed Sea Hotelから見ることが出来る。州立博物館近くは憲兵の兵舎があるため、誤って撮影しないように注意しよう。


◆マッサワのホテル
◇Dahlak Grand Hotel

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Dahlak Grand Hotel

 

マッサワの最高級ホテル。タウルド島の北端、旧皇帝宮殿の前に位置する。マッサワ島へはすぐの位置。敷地内が非常に広く、さながら宮殿。ホテル内の探検がしたくなる広さで、客室数もマッサワで最も多い。
大分年季が入っているが、設備は揃っており、暑く湿度が高いマッサワに必須なエアコンと冷蔵庫は客室に完備。不自由はない。
海水を汲み上げる屋外プールや、レストランも併設。屋上からはマッサワ島を含む周辺一帯が眺められる。
スタッフの対応も親切。公式サイトから予約も可能(イタリア語・英語)。申請をすれば周辺の島への船もチャーターしてくれる。


◇Gurgussum Beach Hotel

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Gurgussum Beach Hotel

グルグッサム・ビーチ併設のリゾートホテル。マッサワのビーチを堪能したい人向け。市街地からは7kmほど離れているため、市内観光には向かない。シュノーケリングなどのアクティビティもチャーター可能。レストランやナイトクラブも併設するなど、一通りの設備は揃っている。


◇Red Sea Hotel

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Red Sea Hotel

 

タウルド島の入り口に位置するイタリアン・デザインのホテル。沖合の沈没船を見ることが出来るマリンビューホテル。屋外プール、レストラン・バール併設。ただ、設備がだいぶ古く、老朽化が進んでいる。


◇Savoiya Hotel

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Savoiya Hotel

 

マッサワ島の入り口に位置するホテル。バール・レストラン併設で、海鮮料理も。料理が美味しいと評判。ホテルとしては、必要最低限の設備のみが揃っている。

 

◆マッサワの食事
◇Sallam Restaurant

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チェルニアのアファル風は絶品!

 

マッサワ旧市街の中心部にあるレストラン。倉庫を改修した外見からは想像出来ないが、マッサワNo.1の海鮮料理店と人気が高い。夕食のみ営業。アファル人のご主人が振る舞うアファル伝統の魚料理はマッサワに来たなら是非食べておきたい。今朝獲れた新鮮な魚から好きなものを選べる。調理時も見学出来るのが嬉しい。チェルニアのアファル風、飲み物及び焼きたてのパーネ・サルド(青唐辛子の辛いソースと共に)込みで200ナクファ。チェルニアは香ばしくスパイシー。外はカリッと、中はふわっふわ。


◇Yasmin Cafeteria

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「フリッタータ」と焼き立てのパン

 

旧市街の港側にあるバール。エスプレッソや紅茶で一息出来る他、フリッタータやオムレツなどちょっとした食事も可能。フリッタータはチョイスした具材以外にも追加で具材調整が出来る(青唐辛子、玉ねぎ、トマト)。朝食やランチにオススメ。


◇Zenith Bar Restaurant

旧市街の港側にあるバール・レストラン。Yasmin Cafeteriaの隣。朝食から夕食まで営業しており、バールとして軽食やドリンクを扱う他、マッサワ名物の海鮮料理や肉料理を扱う。この通り沿いは夜も多くの飲食店がやっており、人が絶えることはない。


◇Seghen Restaurant
旧市街の入り口、港側に位置するレストラン。朝食から夕食まで営業している。マッサワらしく、海鮮料理がメインだが、インジェラセットも食べられる。


◇Nakfa Snack Bar

旧市街中心部にあるバール。軽食やドリンクを販売している。

 

次回はケレンを紹介します!

エリトリア首都、アスマラ観光完全ガイド!

皆さま、お久しぶりです。今回のブログ更新はいつもと趣旨を変えて、観光紹介をしようと思います。というのも、元々「地球の歩き方」をもじって「旧伊植民地(エリトリア)の歩き方」として自身の旅行体験を元に書いた観光ガイドをコミケで出そうと思っていたのですが、コロナ禍でコミケが中止になった際にそのままになっていて、今後おそらく同人誌を出すこともないので、眠らせているのもなんだしせっかくなので以前書いたデータを基にブログで公開したいと思ったためです(2019年12月に私が現地を取材して集めた情報が元になっています)。

というわけで、今回はエリトリアの首都、アスマラについて!次回はマッサワを哨戒する予定です。基本的にはイタリア植民地時代の建築や史跡の紹介がメインとなっており、食事やホテルの情報も載せてあります(エリトリアは「地球の歩き方」がないので...)。もし、コロナ禍が明けて再び海外旅行を楽しめる時代が来てエリトリアに行かれることがありましたら、この記事が参考になれば幸いです。

 

⬛︎アスマラ Asmara
ーイタリア建築に彩られた「ピッコラ・ローマ」ー

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アスマラ : アフリカのモダニズム都市

 

地方区分:マアカル地方(中央州)
エリトリアの首都であり、マアカル地方(中央州)の州都

標高2350mに位置する高地の街で、1897年にイタリアがマッサワから遷都したことでエリトリア植民地の首都になった。ムッソリーニ政権期の1920年代~1930年代に大規模な開発が行われ、「ピッコラ・ローマ」として数多のイタリア合理主義建築が造られた。それらが素晴らしい保存状態で維持され、2017年には街全体がUNESCO世界文化遺産に登録されている。
イタリア時代の名残を色濃く残した街は、まさしく当時のイタリアの町そのものである。食文化に関してもイタリア時代を継承し、街中には数々のイタリアンレストラン、ジェラテリア、バールなどがあり、質の高いクチーナ・イタリアーナを楽しめる。年配の方や学生を中心に、エリトリアの街の中で最もイタリア語が通じる点も、当時の名残を感じる。
なお、アスマラ名物のアスマラ・ビールはイタリア時代が発祥。元々はビッラ・メロッティという名前で、ルイージ・メロッティというイタリア人入植者によって作られた

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アスマラ名物の地ビールアスマラ・ラガー」。濃厚な味わいで美味しい!

 

◆アクセス

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エリトリア国内での移動は、外国人観光客は車のチャーターが推奨されている。

車→マッサワ及びケレンから約2時間。

バス→マッサワ、ケレン、アッサブ等各都市への長距離バス路線がある。

鉄道→アスマラ-マッサワ間の鉄道路線があるが、2019年12月現在、旅客路線は運休中。アスマラ-ネファジット間の観光列車のみ運行中。毎週日曜朝8時出発(料金50USドル-100USドル)。但し、一定数以上の人数が集まらなければ運行しない。

航空機→アスマラ国際空港。国内線はアスマラ-アッサブ便のみ。エリトリアハブ空港のため、国際線はアディスアベバエチオピア)、カイロ(エジプト)、サナア(イエメン)、ミラノ(イタリア)、ジェッダ(サウジアラビア)などとの定期便が存在する。


アスマラの名所
フィアット・タリィエロ

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未来派建築の傑作、フィアット・タリィエロ

1938年完成の未来派ガソリンスタンド。アスマラを代表するイタリア植民地時代の建築として知られる。設計者はジュゼッペ・ペッタッツィ。何故か「フィアット・ティグリロ」という日本語表記があるが、おそらくは誤表記。

その見た目は飛行機をイメージしたもの。30mにもなる片持ち梁式の翼には支柱が全く無いという設計で、よく何十年も経つのに崩れないなぁ、とイタリアの建築能力の高さがよくわかる建築の一つです。設計者のジュゼッペ・ペッタッツィが作業員に支柱を外させた際に銃を突きつけたエピソードでも有名。


◇チネマ・インペロ

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イタリア時代の映画館、チネマ・インペロ

1930年代に造られた、アスマラの代表的な映画館。ハルネット通りに位置する。2019年12月現在、内部を一部修復工事中。アスマラには多くのイタリア時代の映画館があり、しかも建造時期的にまさに『ニューシネマパラダイス』の世界!


◇ベアータ・ヴェルジネ・デル・ロザーリオ大聖堂

(聖マリア大聖堂)

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ベアータ・ヴェルジネ・デル・ロザーリオ大聖堂(聖マリア大聖堂)

 

1922年に完成した、アスマラのランドマークとも言えるカトリックの大聖堂。単純に「カテドラル(大聖堂)」と呼ばれることが多いようです。イタリア式の教会はここがかつて植民地だったことの記憶を呼び起こします。礼拝者は結構多いので内部の撮影は控えめに。


◇聖マリア・コプト教会(ンダ・マリアム)

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聖マリア・コプト教会(ンダ・マリアム)

 

1913年に完成した、正教会建築。正面の印象的なモザイク画はイタリア人画家による作品です。聖マリア・コプト教会前には「石の鐘」があり、叩くと見た目からは想像できない美しい音色が響きます。


◇キダネ・ミハレット大聖堂

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丘から見たキダネ・ミハレット大聖堂

 

1930年完成。正教会フィレンツェのドゥオーモを連想させる立派なクーポラ(ドーム型の円天井)が特徴的ですが、近くからではデカ過ぎて見れません。撮影時は丘からズームで撮るのがお勧め。


◇グランド・モスク

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グランド・モスク

 

1938年完成。アスマラ最大のイスラームのモスク。キリスト教イスラームの調和、まさにエリトリアという国を表している建築と言えるでしょう。
カトリックの総本山であるイタリアがモスクを?と思う人もいますが、当時のイタリア・ファシスト政権は政治的な意味合い(エチオピア正教会との対立や英国からのムスリム分離狙い等)から、イスラームへの懐柔政策を行い、特にアフリカ植民地ではムスリムへの優遇を行って数々のモスクを作っていました。ムッソリーニ自身、「ムスリムの守護者」を名乗っています。バリッラ少年団(イタリア版ヒトラーユーゲント、とはいえ、こっちの方が先に作られた)の総裁であったレナート・リッチの出身地であるカッラーラの石材(大理石)を使っている辺り、体制色が色濃く出ている建築と言えます。


◇戦車の墓場

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戦車の墓場。兵器の残骸が積み重なる。

 

独立戦争期にエチオピア軍が放棄していった兵器を中心に堆積している"兵器の墓場"。戦車だけでなく、撃墜されたミグ戦闘機、エチオピア軍諜報員の通信車、エチオピア軍の食糧車、イタリア植民地時代の鉄道など、様々な残骸がある。特にソ連製の兵器が多いので、ミリオタは楽しめるだろう。入り口には監視員が駐在しており、事前に観光庁で許可証を発行しないと入れない。整備されているわけではないので、見学の際に足を滑らせてサボテンにダイブしないように気を付けよう!


アスマラ

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アスマラ駅内の車両基地見学が可能。

 

1911年完成。アスマラの駅舎。
マッサワ-アスマラ線の終着駅で、現在旅客路線ではアスマラ-ネファジット間の観光列車の始発駅になっている。アスマラ-ネファジット間の観光列車は毎週日曜朝8時出発(料金50USドル,750ナクファ-100USドル,1500ナクファ)。人数が集まらずに運休になる場合も(最小催行人数10人)。料金20USドル,300ナクファアスマラ駅内の車両基地見学も出来る(パスポート確認あり)。アンサルド社やブレダ社の機関車、FIAT社のディーゼル車といった現役の車両の運転席に乗らせて貰えるので価値あり。


シナゴーグ

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アスマラシナゴーグ

 

1905年完成。ユダヤ教シナゴーグ

かつては500人近くユダヤ人がいたそうですが、現在は僅か1名しかアスマラにはユダヤ教徒がいないそうです。事実上、その人専用のシナゴーグなんだとか。その人が亡くなったらどうするんだろう...

イタリアのファシスト政権と言うとユダヤ人弾圧を行ったことでも知られていますが、ファシスト反ユダヤ主義に染まったのはナチへの接近の影響で、それ以前は人種主義傾向は帯びていませんでした(実際、ファシスト幹部や軍幹部にもユダヤ系イタリア人派はいました)。
ユダヤ法案が成立した後も、イタリアではその反ユダヤ傾向は緩やかなものであったため(イタリア社会共和国時代はナチの直接支配を受けたためユダヤ人の虐殺が行われた)、このシナゴーグも攻撃を受けずに済んだのでしょう。


アスマラ中央魚市場

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アスマラ中央魚市場

 

アスマラ中心部にある魚市場。朝、紅海沿岸で水揚げされた魚介類が立ち並ぶ。

イタリア植民地時代に造られた建築。


◇中央郵便局

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アスマラ中央郵便局

 

1890年完成。アスマラのイタリア建築の中でも古めの建築。
この辺りは当時のイタリア軍基地に近く、アスマラの都市計画において重要な役割を果たした場所なんだとか。


エリトリア銀行

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エリトリア銀行

 

1895年完成。いかにもイタリア建築らしい、エリトリア銀行の本社。元々はイタリア銀行(バンカ・ディターリア)の建物でしたが、第二次世界大戦後にエチオピアが占領統治していた頃は警察署として使われていました。ヴェネツィアとかにありそうな見た目ですね。


◇テアトロ・アスマラ

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テアトロ・アスマラ

 

1920年完成のオペラ・ハウス。2019年12月現在、壁の塗り替え中で内部は非公開。


◇チネマ・ローマ

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チネマ・ローマの客席

 

1937年に造られた映画館。ファザードには豪華な大理石を大胆に用いています。中央にはかつて使われていたイタリア製の映写機が展示されている他、ソルディやトトといったイタリアを代表する映画スターの写真も飾られており、客席の雰囲気はまんまニューシネマパラダイスイタリア映画好きは必見の場所です。内部にはバール併設。


◇オデオン・チネマ

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オデオン・チネマ

 

1937年に完成した映画館。


◇マイ・ジャー・ジャー

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マイ・ジャー・ジャー

 

1930年代のアスマラのイタリア人入植者増加に伴い、新たに建設された居住地区である「ゲザ・バンダ地区」の入り口にある階段状の噴水。

1938年完成。アスマラ市民の憩いの場です。


◇ハマセン・ホテル

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ハマセン・ホテル

1919年に完成したイタリア時代のホテルで、第二次世界大戦時に英軍がアスマラを攻略した際は英軍の司令部が設置されていた。現在もホテルとして使われています。


◇アフリカ・ペンション

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アフリカ・ペンション

 

キュビズムを特徴とする邸宅で、現在はペンション。
1920年に作られました。


◇旧アスマラ市庁舎

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アスマラ市庁舎

1936年以前に完成した旧アスマラ市庁舎。以前、スーダン大使館として使われていた。現在は大使館ではないため、撮影可能。


◇財務警察庁

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財務警察庁

 

1935年以前完成。イタリア植民地時代、財務警察(グアルディア・ディ・フィナンツァ)の庁舎だった。現在も財務省の庁舎。


◇イタリア人墓地

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イタリア人墓地

 

街の郊外にあるイタリア人(兵士や入植者)やエリトリア人アスカリ兵の墓地。
近くの教会では時々葬式が開かれ、多くの人が参列する。葬式後は参列者が一気に街に戻るため大渋滞。


エリトリア人富裕層墓地

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エリトリア人富裕層墓地から見たアスマラ市街

 

鉄道駅の向こう側にある、裕福なエリトリア人たちの墓地。小高い丘にあるため、頂上まで登るとアスマラを一望できる。


エリトリア国立博物館

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エリトリア国立博物館

 

アスマラにある国立博物館。入場は無料。


◇ダニエーレ・カップチーニ神学校

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ダニエーレ・カップチーニ神学校

 

エリトリアカトリック教会の中心人物であった、ダニエーレ・カップチーニ神父が作ったカトリック施設群。神学校、学生寮、牛舎、畑、教会などがコンパクトに収まっている。


◇リサイクル工房(メデレベル)

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リサイクル工房(メデレベル)の入り口

 

聖マリア・コプト教会近くにある、廃材を利用して様々な金属製品を作る工房と、それらを販売する市場。廃材は戦車の墓場などから運ばれる。金属製品以外にもスパイスを売る店もあり、良い香りがする。


◇Dolce Vita旗艦店

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Dolce Vita旗艦店

 

ハルネット通りにあるDolce Vitaの旗艦店。Dolce Vitaはイタリア人が創設した、エリトリアのトップ・ファッション・ブランド。値段は張るが、イタリアンスタイルのファッションはオシャレで質が良い。エリトリア製の服やご当地Tシャツが欲しい時に良い。
ご当地Tシャツ350ナクファ、パーカー700ナクファなど。郊外にアウトレットもある。


◆撮影禁止エリアに注意!
現在、大統領府として使われている総督宮殿や、現イタリア大使公邸のヴィッラ・ローマなどの大使館関係の建築などは、世界遺産の構成資産であっても撮影は禁止。サン・フランチェスコ教会の場合は、正面に植民地時代のモニュメントがあるが、大使館街のため正面からの撮影はできない。仮に撮影した場合、削除を求められるため気をつけよう。万が一撮影した場合は、相手が見てる前で削除すればそこまで咎められない。


アスマラのホテル
◇Crystal Hotel

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Crystal Hotel

 

ハルネット通りの南側に位置するホテル。市内観光に適した位置にあり、予約サイトでの予約も可能。客室にもよるが、綺麗で設備が整っている。数多くの外国人観光客も利用する。Wi-Fiあり。客室にはミニバーあり。レストラン併設で、朝食も美味しい。朝食には卵を好きな調理法で出してくれる。


◇Albergo Italia

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Albergo Italia

 

ハルネット通りの北側に位置する高級ホテル。公式サイトから予約が可能(イタリア語・英語)。イタリア植民地時代の1899年に造られたアスマラ最古のホテルで、アスマラで最も古い石造建築の一つ。スタッフの対応が遅いのがタマにキズ。世界遺産に泊まりたい!という人にオススメ。


Hotel Asmara Palace
空港から市街地に向かう街道沿いにある、アスマラ最高級のホテル。

予約サイトでの予約が可能。

 

アスマラの食事
◇Ghibabo Pizzeria & Restaurant

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ピッツァ・アスマリーナ(アスマラ風ピッツァ)はボリューム満点!

 

テラス席のイタリアンレストラン。ハルネット通りの南側に位置する。夜はイルミネーションも綺麗でロマンチック。
ピッツァの大サイズはかなりのボリュームで、空腹の男性でも完食はキツいほど。青唐辛子を使ったピリ辛のピッツァ・アスマリーナ(アスマラ風ピッツァ)は大サイズが170ナクファ、中サイズ140ナクファ


◇Spaghetti & Pizza House

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エビとニンニクのレモンパスタ

 

ハルネット通り、テアトロの向かい側にあるイタリアンレストラン。その名の通り、スパゲッティとピッツァがメイン。パスタはスパゲッティorペンネか選べる。また、前菜としてスープも付く。カルボナーラはボリューム満点!カリカリのグアンチャーレが美味しい本格派。海鮮パスタも美味しい。カルボナーラ90ナクファ、エビとニンニクのレモンパスタ130ナクファ、ティラミス40ナクファ


◇Lielana Burger House

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チーズバーガー。手軽な価格がありがたい。

 

ベイルート通り、バール・ジッリの右隣にあるハンバーガー専門店。チーズバーガー40ナクファハンバーガー30ナクファと、かなり手頃な価格。注文してから作ってくれるので、バンズとパテも焼きたてで美味。ハンバーガーもどこかパニーノを連想する見た目。具材に青唐辛子が入っていてピリッと辛いのもアスマラらしい。バーガーにはカリッと揚がったフライドポテトも付く。


◇Top Five Hotel Restaurant

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インジェラセットは本格的。

 

マイ・ジャー・ジャーに隣接するTop Five Hotelの併設レストラン。ホテルの併設レストランだが、内装も伝統的なスタイルで本格的。インジェラセット130ナクファは、ボリューム満点で美味しい。インジェラは酸味が効いて本格派。アスマラインジェラを食べるならここがオススメ。


◇Da Fortuna Gelato Italiano

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豊富な種類のジェラートが堪能できる。

 

ゲザ・バンダ地区にあるジェラテリア。コーンとカップで選べる。フレーバーはフラーゴラ(イチゴ)やチョッコラートなど様々。ジェラート2種コーンで40ナクファ


◇Pasticceria Giardino

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種類豊富なイタリアン・ドルチェ。

 

ハルネット通り南側にあるイタリアン・ドルチェの老舗。こぢんまりとしているが、アスマラNo.1と市民が推す人気店。


◇Dave Café

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小腹が減った時にありがたいミニ・ピッツァ。

 

クリスタル・ホテル近くにある、アメリカン・スタイルな内装のバール。エスプレッソやマッキャート、ジンジャードリンクなどが美味しい。ミニ・ピッツァといった軽食もある。一休みに丁度良い。


◇Cinema Roma

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アスマラエスプレッソはどこも美味しい。

 

映画館内にバールを併設。エスプレッソやマッキャートが美味しい。映画館内のオシャレな雰囲気を楽しみながら休憩が出来る。

 

次回はマッサワを紹介します!