Associazione Italiana del Duce -ドゥーチェのイタリア協会へようこそ!-

同人サークル"Associazione Italiana del Duce"の公式ブログです。

2018-01-01から1年間の記事一覧

第二次世界大戦時のイタリア軍用航空機企業とその代表機 ―イタリア空軍を支えた11社―

イタリアは航空機先進国であったが、第二次世界大戦時も大小様々な航空機企業が乱立しており、これは戦時体制には仇となって航空機生産の非効率化を生んだ。工業生産力が低かったイタリアにとって、多数の企業が多種多様な航空機を開発・量産するという事態…

イタリアにおける急降下爆撃機開発史と、伊空軍"ピッキアテッロ(変人)"部隊の戦果 ―開発の失敗と部隊の成功―

イタリアの急降下爆撃機開発、それは結果として失敗に終わったと言って良いだろう。戦時中においては序盤を除き、大戦中盤までイタリア空軍の急降下爆撃部隊はドイツのユンカース社製の急降下爆撃機、Ju-87"シュトゥーカ"(イタリアでは"ピッキアテッロ(変人)…

イタリア社会共和国空軍(ANR)の編制 ―祖国の空を守れ!大空の勇者たち―

今までRSI軍については、陸軍と海軍は記事を書いていたが、空軍についてはまだだったので紹介しよう。RSI空軍については今まで全くの無知といっても過言では無かったが、調べていくとそれが中々結構奥が深く面白い。 RSI空軍仕様のフィアット G.55 "チェンタ…

1940年の王立ギリシャ海軍の構成 ―イタリア侵攻時のエーゲ海の艦隊―

第二次世界大戦時の王立ギリシャ海軍はそれなりの規模であったが、海軍の近代化を進めている最中に第二次世界大戦に突入してしまった。規模的には仮想敵国であるトルコ海軍には優っていたが、もう一つの仮想敵国であるイタリア海軍には当然ではあるが、大き…

「世界初の高速道路を生んだ男」ピエロ・プリチェッリ ―ファシスト政権とイタリアの自動車史―

「世界初の高速道路」は実はイタリアだった―そんな話を聞いて、多くの人は驚くだろう。おそらくはドイツやアメリカが世界初と思っていた方が多いのではないだろうか。「世界初の高速道路」は1924年に開通したミラノ―ガッララーテ間の高速道路(アウトストラー…

今までの投稿まとめ(2018/8/14~2018/12/18)

そろそろ投稿が多くなってきたので、投稿をカテゴリごとにまとめてみました。これで過去の投稿を探すのも少しはわかりやすいと思います。 ■イタリア史関係 associazione.hatenablog.com associazione.hatenablog.com associazione.hatenablog.com associazio…

イタリア軍事史跡紹介:グラッツァーノ・バドリオ ―バドリオ元帥ゆかりの地―

グラッツァーノ・バドリオ(Grazzano Badoglio)は、トリノとアスティの丁度中間地点に位置する人口600人程度の小さな町。名前からもわかる通り、ピエトロ・バドリオ陸軍元帥の出身地である。 ピエトロ・バドリオ陸軍元帥 皆さんもご存知だと思うが、バドリオ…

イタリア軍事史跡紹介:サレルノ ―サレルノ上陸作戦博物館―

サレルノ(Salerno)は大学で有名な南イタリア・カンパニア州の港湾都市。アマルフィ海岸の南端に位置し、これらの街の観光の場合には便利。サレルノ駅前からSITA社のソッレント行きのバスが出ている。勿論、アマルフィやポジターノあたりに泊るのが一番だが、…

イタリア軍事史跡紹介:ガエータ ―第二次世界大戦時の潜水艦「R12」の艦橋―

ガエータ(Gaeta)はカンパニア州との境に近い港町。歴史的には両シチリア王国領で、リソルジメント期には両シチリア兵たちが最後の抵抗を行った場所として知られる。軍港都市としても知られ、現在では、アメリカ第六艦隊の母港として使われている。アクセスは…

イタリア軍事史跡紹介:ガルニャーノ ―最後のムッソリーニ邸、ヴィッラ・フェルトリネッリ―

ガルニャーノ(Gargnano)はサロからバスだと25分くらいで着く町で、サロと同様にガルダ湖畔の避暑地だ。この町はRSI政権期にムッソリーニが邸宅を置いた場所として知られる。この町に邸宅が置かれた理由は、ドイツ軍側が容易に監視下(管理下)に置くことが出来…

イタリア軍事史跡紹介:ペルージャ ―軽巡洋艦「ライモンド・モンテクッコリ」のマスト―

ペルージャ(Perugia)はウンブリア州の州都である美しい古都。ローマからはFS線で約2時間半。FS線駅からはミニメトロで市街地に行ける他、テルニからウンブリア中央鉄道(Ferrovia Centrale Umbra)で直接市街地に訪れる事も可能だ。 在りし日の軽巡洋艦「ライ…

イタリア軍事史跡紹介:アッフィーレ ―グラツィアーニ元帥の記念堂―

アッフィーレ(Affile)はローマ首都圏内、アッフィラーニ山脈に位置する小さな町。戦間期~第二次世界大戦にかけてイタリア軍の首脳として活躍したロドルフォ・グラツィアーニ陸軍元帥が晩年を過ごした町として知られている。 ロドルフォ・グラツィアーニ記念…

「潜水艦大国」イタリアの潜水艦隊の活躍・第三部 ―海の狼たちの奮戦記―

またまたイタリア潜水艦についての記事を書こう。潜水艦はいいぞ(洗脳済み) 今回は機雷敷設潜水艦や輸送潜水艦といったマイナーな潜水艦も取り扱ってみた。今回紹介するのは以下の通り。 シレーナ級潜水艦「スメラルド」シレーナ級潜水艦「ナイアデ」マメー…

冬コミ原稿入稿しました!

冬コミ原稿無事入稿しました! サークル「A.I.D.(Associazione Italiana del Duce)」では、『ミリオタとファシストのためのイタリア旅行ガイド―La Guida Italiana per gli Appassionati di Storia Militare e i Fascisti―』を頒布します。素敵な表紙イラスト…

「潜水艦大国」イタリアの潜水艦隊の活躍・第二部 ―海の狼、再度出撃せよ!―

さて、今回もイタリア海軍の潜水艦について紹介しよう。自分自身も調べていったら想像以上にイタリア潜水艦の世界は奥が深く、すっかりイタリア潜水艦が大好きになってしまった。なので、以前の投稿に引き続きイタリア潜水艦をちまちま紹介しようと思う。今…

カピターニ・ロマーニ級軽巡洋艦の戦歴 ―古代ローマの栄光を再びこの手に!イタリア海軍最後の軽巡洋艦の活躍―

イタリア海軍が第二次世界大戦中に竣工出来た艦艇は工業生産力の低さ故にそこまで多いとは言えなかった。しかし、大戦中に竣工した艦艇には優れた性能を持ったものが多かった。その一つとして、カピターニ・ロマーニ級軽巡洋艦(Gli incrociatori leggeri Cla…

三人の艦隊司令官の戦歴から辿るイタリア海軍史 ―主力艦隊から見た第二次世界大戦のイタリア海軍―

最近はイタリア海軍の艦艇の活躍について紹介してきたので、今回は艦隊司令官について紹介してみることとする。イタリア海軍の主力艦隊を率いた三人の艦隊司令官、イニーゴ・カンピオーニ提督、アンジェロ・イアキーノ提督、カルロ・ベルガミーニ提督の三人…

フランス海軍と戦った二隻の潜水艦「プロヴァーナ」と「フィエラモスカ」 ―オラン沖の海戦とトゥーロン港攻撃作戦!―

前回の更新では、フランス重巡艦隊と単艦で戦って無事撃退に成功した水雷艇「カラタフィーミ」の話をした。今回は、同じく「イタリア海軍vsフランス海軍」シリーズということで、第二次世界大戦序盤にフランス海軍と戦った二隻のイタリア海軍の潜水艦のエピ…

水雷艇「カラタフィーミ」の戦い ―フランス艦隊に単艦で立ち向かった海の勇者―

1940年6月10日、イタリア王国は英国及びフランスに宣戦布告し、第二次世界大戦に参戦した。僅か2週間程で終了した対フランス戦において、イタリア陸軍は準備不足からフランス軍の要塞線攻略に多くの被害を被った事で知られているが、イタリア海軍の対仏戦に…

「潜水艦大国」イタリアの潜水艦隊の活躍 ―海の狼、出撃せよ!―

第二次世界大戦時のイタリア海軍はあまり知られてはいないが、実は世界でも屈指の潜水艦大国であった。これは時のイタリア海軍参謀長ドメニコ・カヴァニャーリ提督の戦略によるもので、1940年の開戦時には実に計117隻(アドゥア級17隻、アルゴナウタ級7隻、ペ…

コミックマーケット95受かりました!

◎貴サークル「A.I.D.」は、月曜日 西地区 "と" ブロック 13b に配置されました。 冬コミ受かりました! 「ミリオタとファシストのためのイタリア旅行ガイド」を頒布の予定です! 初めてのサークル参加ですがよろしくお願いします。

「永遠の都」ローマを防衛せよ! ―イタリア社会共和国(RSI)軍とアンツィオ・ローマの防衛戦―

1944年初頭、連合軍は枢軸国側の防衛線「グスタフ・ライン」に阻まれ、北上が出来ずにいた。とはいえ、名目上のRSI政権の首都であるローマは目前であった。連合軍はこの状況を打開するために、モンテ・カッシーノ戦に呼応するかのように、1月22日に「シング…

イタリア社会共和国(RSI政権)陸軍の編制 ―4つの正規師団と11の地方軍司令部、そしてGNR―

イタリア休戦後、新たに成立した北部のイタリア社会共和国(RSI政権)にて、軍が再編されることになった。グラツィアーニ元帥、カネヴァーリ准将、ガンバラ中将を始めとするRSIに合流した将軍たちの尽力により再編が進められ、四つの師団の設立がドイツ側との…

イタリア社会共和国(RSI政権)による「ヨーロッパ共同体構想」 ―ファシストによる欧州統合―

「ヨーロッパ統合構想」。戦乱が絶えないヨーロッパから戦争を取り除き、平和な世界を作るために数多の欧州の思想家・活動家たちが考えてきた。今日における欧州連合(EU)が成立するまでの苦難は非常に長く、厳しいものであった。 欧州統合論は第一次世界大戦…

エットレ・ムーティ空軍中佐と中東への長距離爆撃作戦 ―中東油田地帯ヲ爆撃セヨ!―

地味に空軍関係について書くのは初めてである。理由としては、私自身、イタリア空軍を始めとする空軍自体に詳しくない、というか今まであまり興味がなかった。 ただ、そんな私でも面白いと思ったイタリア空軍の功績がある。第二次世界大戦中の中東への長距離…

イタリア軍のアルバニア侵略とアルバニアの油田 ―アドリア海の産油国の運命―

イタリア軍は1939年、アドリア海で対岸に位置するアルバニア王国に侵攻を開始した。数日の内にアルバニア全土はイタリア軍の占領下に置かれ、国王ゾグ1世は国外に亡命、アルバニアはイタリア王国の同君連合となった。 アルバニア軍を閲兵する国王ゾグ1世 こ…

伊日交流史 ―日伊修好通商条約と明治初期の日本・イタリア関係―

数百年維持してきた鎖国体制が崩壊し、江戸幕府は西洋諸国と修好通商条約を結んだ。最も有名なものは、米蘭露英仏と結んだ安政の五か国条約が知られているが、その後、統一を果たしたばかりのイタリア王国や、後にドイツ統一を成し遂げるプロイセン王国など…

エチオピア帝国軍を率いた7人の将軍たち ―ኢትዮጵያ ታበፅዕ እደዊሃ ሃበ አግዚአብሐር―

エチオピア帝国軍の将軍たちについて色々調べてみたのでまとめてみた。エチオピア戦争時に帝国軍を率いてイタリア軍と戦った7人の将軍たちについてである。 紹介する7人の帝国軍将軍 ここで紹介するのは、 ◆北部戦線指揮官 ラス・ムルゲタ・イェガッズ将軍(…

第二次世界大戦時のイタリア海軍の対潜水艦戦 ―潜水艦を狩れ!海の狩人、水雷艇戦隊!―

第二次世界大戦時のイタリア海軍は特段対潜装備に優れていたわけではない。しかし、イタリア海軍は主に地中海で多くの敵潜水艦を沈めているという事実がある。しかも、沈めた英潜水艦の数は枢軸国(ドイツ・イタリア・日本)の中で最も多く、それに加え、王立…

イタリア極東艦隊の戦歴と天津のイタリア租界 ―伊日関係と苦難の日々―

第二次世界大戦時、日本の同盟国であったイタリアは極東に勢力圏、天津租界を持っていた。イタリアは天津を母港とする「極東艦隊」を保有しており、兵士も駐在していた。この「極東艦隊」は後に紅海艦隊の残存艦が合流して規模を拡大、日本海軍と共にアジア…