2021-01-01から1年間の記事一覧
さて、今回は前回の続きという事で、引き続き第二次世界大戦時のイタリア戦艦の艦長たちを紹介したいと思う。前回の記事はこちら↓ associazione.hatenablog.com 今回は以下の三名について紹介する。 この3名はいずれもイタリア戦艦の艦長の中では結構有名な…
ふと第二次世界大戦時のイタリア海軍を調べているときに気が付いたのだが、イタリア語の書籍を読んでいると、駆逐艦や潜水艦などの小型艦に関しては艦長の記述が多いのに対し、大型艦となると艦長に関する記述が極端に少ない...という事に気付いた。 ただで…
フランシスコ・フランコ(左)とベニート・ムッソリーニ(右):フランコはスペインの軍人・政治家。カウディーリョ(1936-75)。スペイン内戦で勝利し、独裁体制を成立させた独裁者。第二次世界大戦は枢軸国寄りの中立で乗り切った。ムッソリーニはスペイン内戦で…
アントニオ・サラザール:ポルトガルの政治家・経済学者。「エスタド・ノヴォ」体制の独裁者として、ポルトガル首相(1932-68)を務めた。元々はコインブラ大学の教授で、彼の政治経済学の講義は学生に人気だった。彼の体制の元でポルトガルは圧政が行われたが…
70年代初頭まで、ギリシャ、ポルトガル、スペインの三国はヨーロッパの「周辺国」であり、いずれも冷戦における「西側」諸国ではあったものの、他の点では「西側」とは程遠い存在であった。三国の経済は出稼ぎ労働者による送金と観光業に大きく依存していた…
イタリア空軍は地中海における艦船・輸送船団攻撃でも活躍した。潜水艦の運用が難しかった地中海において、空軍部隊による敵船団攻撃は非常に重要だった(第二次世界大戦時、イタリア潜水艦部隊は多くの戦果を挙げたが、その戦果の多くは大西洋や特殊作戦にい…
1943年7月、ディーノ・グランディ(Dino Grandi)を中心とするファシスト重鎮らによるファシズム大評議会内でのムッソリーニ解任動議に加え、ヴィットーリオ・アンブロージオ参謀総長(Vittorio Ambrosio)やピエトロ・ダックァローネ宮内大臣(Pietro d'Acquaron…
ファシスト政権期のイタリアで活躍したユダヤ系イタリア人の代表例:左からムッソリーニの側近の一人だったアルド・フィンツィ、財務相を務めたグイード・ユング、MVSN高官のアルベルト・リウッツィ将軍、ムッソリーニの愛人で芸術政策に携わったマルゲリー…
アリスター・E・マクグラス著/芳賀力訳『ジャン・カルヴァンの生涯(上):西洋文明はいかにして作られたか』(キリスト教新聞社、2009年)は、北アイルランド出身の神学者アリスター・E・マクグラスによって書かれた、ジャン・カルヴァンの生涯を詳細に綴った…
前回の続きで、ファシスト政権期の芸術政策について紹介しよう。 ディーノ・アルフィエーリ(左)とロベルト・ファリナッチ(右) 芸術のファシスト・プロパガンダへの利用を強く推進した人物として、中心的に挙げられるのが後に人民文化相となるディーノ・アル…
たまには趣旨を変えて、ファシスト・イタリアの芸術政策について触れてみることとする。というのも、意外にこの手のツイートをしたら割と注目があったためだ。 ジュゼッペ・ボッターイ(Giuseppe Bottai) ファシスト・イタリアでは近代芸術(モダン・アート)は…
お久しぶりの更新です。今回はファシスト・イタリアの金融財政について、財務相ごとに簡略的にまとめてみました。もしよければご一読ください。 ◆アルベルト・デ・ステーファニ Alberto De Stefani アルベルト・デ・ステーファニ イタリア王国財務相(1922-25…
⬛︎商船改造空母 2隻の空母(「アクィラ」及び「スパルヴィエロ」)の比較 以前書いた記事が自分で確認する時も長いな、と思ったので空母の項だけ別個の記事を作ってみました。 ↓こちらの記事です(前半部分は旧式戦艦の大改装について) associazione.hatenablog…
第二次世界大戦時のイタリア本土への主な空襲。 第二次世界大戦時、イタリアはドイツや日本と共に枢軸国の主要交戦国の一つである。しかしながら、ドイツ本土や日本本土への空襲被害とは異なり、イタリア本土の空襲被害が顧みられることはあまりないと言える…
駆逐艦「ヴィンチェンツォ・ジョベルティ」 駆逐艦「ヴィンチェンツォ・ジョベルティ」はオリアーニ級駆逐艦の1隻(2番艦)で、1936年9月19日に進水、1937年10月27日に就役した。艦名の由来はリソルジメント期にサルデーニャ王国首相を務めた同名の哲学者に由…