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イタリア潜水艦の戦果(撃沈艦)をクラスごとにまとめてみた!

第二次世界大戦時のイタリア海軍は潜水艦を重視し、数多くのイタリア潜水艦が地中海や大西洋、更に紅海、インド洋、太平洋において活動したことは以前の記事で紹介した。そこで、今回は第二次世界大戦におけるイタリア海軍の潜水艦の戦果(撃沈艦)をクラスごとでまとめてみたここでいう「戦果」は攻撃(雷撃及び砲撃)による撃沈艦のみで、特殊作戦(敵地への上陸作戦など)への投入による破壊工作や機雷敷設任務とそれによる戦果、輸送任務、攻撃による損傷(状況問わず)といったものは含まれないものとする。また、その「戦果」を挙げていないクラスについてはここでは紹介しない。

その結果、ピサーニ級(全4隻、旧式艦で特に戦果を挙げず)、フィエラモスカ級(全1隻、機関の故障)、バンディエーラ級(全4隻、特殊作戦や輸送任務に従事)、ブラガディン級(全2隻、機雷敷設)、セッテンブリーニ級(全2隻、スペイン内戦では戦果を挙げた)、ミッカ級(全1隻、機雷敷設)、フォカ級(全3隻、機雷敷設)、トリトーネ級(全11隻、休戦直前に就役・竣工)、R級(全4隻、輸送用)、X級(全2隻、輸送用)、H級(全5隻、哨戒・訓練任務に従事)については、今回は扱わない。

潜水艦の個別の戦果や行動、詳細については過去記事の「「潜水艦大国」イタリアの潜水艦隊の活躍・第一部~第三部」を参照。また、紅海艦隊の潜水艦部隊については、「東アフリカ戦線におけるイタリア海軍の役割(1940-41) ―イタリア紅海艦隊の孤独な戦い―」を参照。

 

◆バリッラ級(Classe Balilla)

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潜水艦「エンリコ・トーティ」

バリッラ級はイタリア海軍が第一次世界大戦後に初めて建造した大型潜水艦で、H級やX級を除けば、第二次世界大戦時のイタリア潜水艦では最も古い潜水艦である。1920年代後半に建造され、「バリッラ」「トーティ」「シエーザ」「ミッレリーレ」全4隻が就役した。また、同設計でブラジル海軍に「ウマイタ」として1隻就役している。

優れた航続距離と耐久性を持っていたが、第二次世界大戦時になると旧式化していた。時代遅れの潜水艦は戦争に投入されたが戦果を挙げることは出来なかった。

その中で、唯一撃沈戦果を挙げたのは「エンリコ・トーティ」である。

◆「トーティ」

:潜水艦1隻(総計1575t)

1940年10月15日

ターラント湾にて英潜水艦「トライアド」(1575t)撃沈

 

戦果を挙げた「トーティ」を含め、旧式化していたバリッラ級は戦時中に戦闘任務を外され、訓練艦としての任務や、輸送任務に従事することとなった。

 

 

◆マメーリ級(Classe Mameli)

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潜水艦「ゴッフレード・マメーリ」

マメーリ級は第一次世界大戦後に初めて建造された中型潜水艦で、言わば戦間期におけるイタリア中型潜水艦の祖とも言える存在である。1920年代後半に建造され、「マメーリ」「カッポーニ」「プロチーダ」「スペーリ」計4隻が就役した。優れた耐久性と速力を持っていたが、バリッラ級同様に第二次世界大戦時になると旧式艦だった。

マメーリ級では「マメーリ」「カッポーニ」の2隻が撃沈戦果を挙げた。

◆「マメーリ」

武装商船1隻(総計1044t)

1940年8月2日

:マルタ沖にてギリシャ武装商船「ラウラ」(1044t)を撃沈

◆「カッポーニ」

武装商船1隻(総計1888t)

1940年6月22日

:マルタ沖にて武装商船「ハルガ」(1888t)を撃沈

 また、「カッポーニ」は戦艦「バーラム」に対して雷撃を成功させ、損傷させている。

1941年3月末にストロンボリ沖で撃沈された「カッポーニ」を除き、3隻は1941年以降は旧式艦ゆえに訓練任務もしくはアドリア海での哨戒任務に回された。

 

◆スクアーロ級(Classe Squalo)

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潜水艦「スクアーロ」

スクアーロ級は優れた性能を持つ中型潜水艦で、この級の改良型としてアドゥア級を始めとする「クラッセ600」シリーズが生み出された。1930年初頭にかけて建造され、「スクアーロ」「デルフィーノ」「ナルヴァーロ」「トリケーコ」の全4隻。とはいえ、第二次世界大戦時には旧式化が否めなかった。

撃沈戦果を挙げたのは「スクアーロ」「デルフィーノ」「トリケーコ」の3隻である。

◆「スクアーロ」

:タンカー1隻(総計10000t)

1941年7月23日

キレナイカ沖にて英国の大型タンカー(約1万t)を撃沈

◆「デルフィーノ」

軽巡洋艦1隻(総計2642t)

1940年8月15日

ギリシャ・ティノス港を攻撃、ギリシャ軽巡「エリ」(2642t)撃沈

◆「トリケーコ」

:潜水艦1隻(総計856t)

1940年10月8日

エーゲ海にて中型潜水艦(856t)を撃沈

(※後に味方潜水艦である「ジェンマ」だと判明。レーロ基地は「ジェンマ」への帰投を命令したため、「トリケーコ」含む他の潜水艦はエーゲ海で「ジェンマ」は活動してないものとした。しかし、実は「ジェンマ」には帰投命令は届いていなかったためエーゲ海で活動を続けており、暗闇だったこともあり味方艦であると識別できず、「トリケーコ」は「ジェンマ」を撃沈してしまった)

 

◆アルゴナウタ級(Classe Argonauta)

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潜水艦「セルペンテ」

アルゴナウタ級潜水艦はシレーナ級、アドゥア級、ペルラ級、プラティーノ級と共に「クラッセ600(セッテチェント)」シリーズの潜水艦である。1930年代前半に就役し、「アルゴナウタ」「フィザリア」「セルペンテ」「ヤンティーナ」「サルパ」「メデューサ」「ヤレア」の全7隻。地中海での作戦行動に適した中型潜水艦だが、第二次世界大戦時は「セルペンテ」を除き、大きな戦果は残していない。

◆「セルペンテ」

駆逐艦1隻(総計1913t)

1940年12月22日

:マルタ近郊にて、英駆逐艦ハイペリオン」(1913t)撃沈

 

◆アルキメーデ級(Classe Archimede)

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潜水艦「ガリレオ・ガリレイ

アルキメーデ級はバリッラ級以来の大型潜水艦で、航洋型潜水艦。1930年代前半に就役し、「初代アルキメーデ」「初代トッリチェッリ」「ガリレイ」「フェッラーリス」の4隻だったが、「初代アルキメーデ」は「ヘネラル・モーラ」、「初代トッリチェッリ」は「へネラル・サンフルホ」としてスペイン海軍に売却された。2隻はスペイン内戦中に多くの撃沈戦果を挙げている。残ったガリレイ」と「フェッラーリス」は引き続きイタリア海軍で活動し、第二次世界大戦時は紅海艦隊の一員として活躍した。第二次世界大戦時に撃沈戦果を挙げたのは「ガリレイ」のみで、「フェッラーリス」は東アフリカ戦線崩壊後も生き残り、大西洋で任務を継続したが、戦果は挙げていない。

◆「ガリレイ

:タンカー1隻(総計8215t)

1940年6月16日

:アデン南部沖にて、英タンカー「ジェームズ・ストーヴ」(8215t)を撃沈

 

◆シレーナ級(Classe Sirena)

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潜水艦「ガラテア」

シレーナ級はアドゥア級、ペルラ級、プラティーノ級、アルゴナウタ級と共に「クラッセ600」シリーズの潜水艦である。設計的にはスクアーロ級とほぼ変わりない。1930年年代前半に就役した中型潜水艦で、計12隻。例えば、「スメラルド」は1940年6月11日、アレクサンドリア沖にて第二次世界大戦で初めて魚雷を発射したイタリア潜水艦として知られているが、撃沈戦果は挙げていない。撃沈戦果を挙げたのは「ナイアデ」「オンディーナ」「ガラテア」「トパツィオ」の4隻。

◆「ナイアデ」

:タンカー1隻(総計8029t)

1940年6月12日

アレクサンドリア沖にて、ノルウェー・タンカー「オルカンゲル」(8029t)を撃沈

◆「オンディーナ」

:輸送船1隻(3805t)

1941年6月30日

キプロス沖にて、トルコ輸送船「レファー」(3805t)撃沈

◆「ガラテア」

:輸送船1隻(総計170t)

1942年3月16日

ベイルート沖にて、ギリシャ輸送船「ゾェドコス・ペゲ」(170t)撃沈

◆「トパツィオ」

:輸送船1隻(総計691t)

1941年9月10日

ベイルート沖にて、英輸送船「ミュレフテ」(691t)撃沈

 

◆グラウコ級(Classe Grauco)

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潜水艦「オタリア

グラウコ級はイタリアが開発した大型潜水艦で、航洋型潜水艦。「グラウコ」と「オタリア」の2隻が1935年に就役し、第二次世界大戦では2隻とも大西洋での作戦に投入された。元はポルトガル海軍が発注したもので、それがキャンセルとなったため、イタリア海軍で就役することとなった。「グラウコ」は戦果を挙げられなかったが、「オタリア」は大西洋で戦果を挙げた。また、いくつかの海上救援任務にも従事した。

◆「オタリア

:輸送船1隻(総計4662t)

1941年5月8日:大西洋にて、英輸送船「スタークロス」(4662t)撃沈

 

◆カルヴィ級(Classe Calvi)

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潜水艦「エンリコ・タッツォーリ」

カルヴィ級は1935年に竣工した航洋型潜水艦で、「カルヴィ」「タッツォーリ」「フィンツィ」の3隻が就役した。操縦性が悪く、船団への攻撃には不向きと判断されていたが、その評価に反して3隻は大西洋で数多くの撃沈戦果を挙げており、特に「タッツォーリ」はイタリア海軍の潜水艦では「レオナルド・ダ・ヴィンチ」に次ぐ第二位の撃沈トン数を誇り、撃沈数では計19隻で最高の数値。イタリア海軍の潜水艦で最も成功した潜水艦の一つである。これは「タッツォーリ」艦長のディ・コッサート少佐を始めとする優秀な潜水艦指揮官によるものだ。以下の戦果は全て大西洋上でのものである。

◆「カルヴィ」

:輸送船4隻、タンカー3隻(総計45239t)

1940年12月20日

:英武装商船「カールトン」撃沈(5162t)
1942年3月7日

:英輸送船「ハンティンドン」撃沈(10946t)
1942年3月29日

:英輸送船「トレディンニック」撃沈(4589t)
1942年3月31日

:米タンカー「マコブ」撃沈(7452t)
1942年4月9日

:米タンカー「ユージーン・V・R・セイヤー」撃沈(7138t)
1942年4月11日

ノルウェー船籍の輸送船「バルキス」撃沈(2261t)
1942年4月12日

:英タンカー「ベン・ブラッシュ」撃沈(7691t)

◆「タッツォーリ」

輸送船15隻、タンカー4隻(総計98433t)

1940年10月12日

ユーゴスラヴィア輸送船「オラオ」(5135t)
1940年12月27日

:英輸送船「オーダンバーン」(4980t)
1941年4月15日

:英輸送船「オーリヤック」撃沈(4734t)
1941年5月7日

ノルウェー輸送船「ファーン・レーン」撃沈(4310t)
1941年5月9日

ノルウェー・タンカー「アルフレッド・オルセン」撃沈(8817t)
1941年8月12日

:英輸送船「サンガラ」撃沈(5449t)
1941年8月19日

ノルウェー・タンカー「シルドラ」撃沈(7313t)
1942年3月6日

:オランダ輸送船「アストレア」撃沈(1406t)
1942年3月7日

ノルウェー輸送船「トンスベルクフィヨルド」撃沈(3156t)
1942年3月9日

ウルグアイ輸送船「モンテビデオ」撃沈(5785t)
1942年3月11日

パナマ輸送船「シグニット」撃沈(3628t)
1942年3月13日

:英輸送船「デイトニアン」撃沈(6434t)
1942年3月15日

:英タンカー「アセルクイーン」撃沈(8780t)
1942年8月1日

:オランダ輸送船「カストール」撃沈(1830t)
1942年8月7日

ノルウェー・タンカー「ハヴステン」撃沈(6161t)
1942年12月12日

:英輸送船「エンパイア・ホーク」撃沈(5032t)
1942年12月12日

:オランダ輸送船「オンビリン」撃沈(5658t)
1942年12月21日

:英輸送船「クィーン・シティ」撃沈(4814t)
1942年12月25日

:米輸送船「ドナ・オーロラ」撃沈(5011t)

◆「フィンツィ」

:輸送船5隻(総計30760t)

1942年3月6日

:英輸送船「メルポメネー」(7011t)撃沈
1942年3月7日

:英輸送船「スコーネ」(4528t)撃沈
1942年3月9日

:英輸送船「チャールズ・ラシーヌ」(9957t)撃沈
1942年3月28日

ギリシャ輸送船「グラニコス」(3689t)撃沈
1942年3月29日

:英輸送船「セルティック・スター」(5575t)撃沈

 

◆ペルラ級(Classe Perla)

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潜水艦「アンブラ」

ペルラ級はアドゥア級、シレーナ級、プラティーノ級、アルゴナウタ級と共に「クラッセ600」シリーズの潜水艦である中型潜水艦。アドゥア級とはほぼ同型。1936年頃に就役し、全10隻第二次世界大戦では主に地中海で活動し、「ペルラ」のみ紅海艦隊で活動し、インド洋、大西洋での活動後に地中海に戻った。「アンブラ」「イリデ」「マラキーテ」のように特殊作戦に投入されたものも多かったが、撃沈戦果を挙げたのは「アンブラ」と「コラッロ」の2隻のみである。アリッロ艦長の「アンブラ」はイタリア海軍の潜水艦でも特に成功した潜水艦の一隻で、アルジェ攻撃では人間魚雷部隊によって輸送船4隻を一度に撃沈している華々しい戦果を挙げた。

◆「アンブラ」

軽巡洋艦1隻、輸送船4隻(総計27116t)

1941年3月31日

クレタ島沖にて、英軽巡「ボナヴェンチャー」(6850t)撃沈
1942年12月12日

:アルジェ港攻撃にて搭載した人間魚雷部隊によって以下の4隻を撃沈
英輸送船「オーシャン・ヴァンクィッシャー」(7174t)
英輸送船「ベルト」(1493t)
英輸送船「エンパイア・ケンタウル」(7041t)
英輸送船「ハルマッタン」(4558t)

◆「コラッロ」

:輸送船3隻(総計205t)

1942年4月28日

チュニジア沖にて、仏輸送船「ダルエスサラーム」(138t)撃沈
1942年4月28日

チュニジア沖にて、仏輸送船「チュニス」(41t)撃沈
1942年6月7日

チュニジア沖にて、仏輸送船「ハディ・モハメド」(26t)撃沈

 

◆アドゥア級(Classe Adua)

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潜水艦「シィレー」

 アドゥア級は「クラッセ600」シリーズの潜水艦である中型潜水艦。ペルラ級とはほぼ同型で、1936年~38年頃にかけて就役した。全17隻第二次世界大戦では主に地中海で運用され、「シィレー」及び「ゴンダール」は特殊作戦に投入されている。また、「マッカレー」は紅海で活動、戦没した。同型の潜水艦3隻がブラジルにも輸出されている。この級の潜水艦は「シィレー」を始めとして地中海で戦果を挙げ、特にアレクサンドリア港攻撃は英首相チャーチルが「我が地中海艦隊は存在しないも同然」と言うほどであった。イタリアの中型潜水艦では最も成功した級と言えるだろう。撃沈戦果には至らなかったが、雷撃で大破・損傷させた軍艦も多い。

◆「シィレー」

:戦艦2隻、タンカー3隻、輸送船1隻(総計90282t)

1941年9月19日

ジブラルタル攻撃にて搭載した人間魚雷部隊によって以下の3隻を撃沈
英輸送船「ダーラム」(10893t)撃沈
英タンカー「デンビデール」(8145t)撃沈
英タンカー「フィオナ・シェル」(2444t)撃沈
1941年12月18日

アレクサンドリア港攻撃にて搭載した人間魚雷部隊によって以下の3隻を撃沈
英戦艦「クイーン・エリザベス」(33550t)
英戦艦「ヴァリアント」(27500t)
英タンカー「サゴナ」(7750t)
◆「アクスム

軽巡洋艦1隻、駆潜艇1隻、タンカー1隻(総計14154t)

1942年8月12日

:ビゼルタ沖にて、英軽巡「カイロ」(4190t)撃沈

1942年8月12日

:ビゼルタ沖にて、米タンカー「オハイオ」(9514t)大破後、マルタ港内にて沈没
1943年6月4日

チュニジア沖にて、米駆潜艇「PC-496」(450t)撃沈

◆「アラダム」

駆逐艦1隻(総計1913t)

1942年4月6日

:ケリビア東方沖にて、英駆逐艦「ハヴォック」(1913t)撃沈

◆「アシアンギ」

:掃海艇1隻(総計1040t)

1942年11月11日

アルジェリア沖にて、英掃海艇「アルジェライン」(1040t)撃沈

◆「アラジ」

駆逐艦1隻、タンカー1隻、輸送船1隻(総計13670t)

1942年6月8日

チュニジア沖にて、伊駆逐艦「ウゾディマーレ」(2600t)誤撃沈※味方艦
1942年7月9日

レバノン沖にて、トルコ船籍タンカー「アンタレス」(3723t)撃沈
1942年8月12日

チュニジア沖にて、英輸送船「クラン・ファーガソン」(7347t)撃沈

◆「ネゲッリ」

:輸送船1隻(総計7264t)

1941年1月19日

:エジプト沖にて、英輸送船「クラン・カミング」(7264t)撃沈

 

◆アルゴ級(Classe Argo)

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潜水艦「アルゴ」

 アルゴ級は優れた性能を持つ中型潜水艦で、トリトーネ級潜水艦の原型となった。元々はポルトガル海軍が発注したものであったが、イタリア海軍で就役した。「アルゴ」と「ヴェレッラ」の2隻で、1937年就役。中型潜水艦だが2隻とも大西洋でも活動している。「ヴェレッラ」は撃沈戦果を挙げられず、船団への損傷のみだったが、「アルゴ」は大西洋と地中海両方で戦果を挙げる事に成功した。

◆「アルゴ」

:輸送船2隻、砲艦1隻(総計20974t)

1941年12月5日

:大西洋にて、輸送船「シルヴァーパイン(5066t)」撃沈
1942年11月12日

アルジェリア沖にて、大型輸送船「アワテア」(13482t)撃沈

1942年11月12日

アルジェリア沖にて、対空砲艦「ティンワルド」(2376t)撃沈 

 

◆マルチェッロ級(Classe Marcello)

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潜水艦「アゴティーノ・バルバリーゴ」

 マルチェッロ級は優れた速力と操縦性を持った大型潜水艦で、大西洋での運用を念頭に置いて開発された航洋型潜水艦。1938年に11隻が就役したが、地中海で戦没した「プロヴァーナ」を除き、全てが大西洋で活動している。「ファー・ディ・ブルーノ」以外は全て大西洋で多くの戦果を挙げた武勲艦であるため、大西洋での運用について、マルコーニ級、カルヴィ級と並び最も成功したクラスの一つだと言えるだろう。撃沈戦果には至らなかったが、雷撃で大破・損傷させた軍艦も多い。「ダンドロ」や「モチェニーゴ」は大西洋から帰還した後、地中海でも戦果を挙げている。更には「カッペリーニ」のように極東戦線まで派遣された潜水艦も存在した。

◆「マルチェッロ」

:輸送船1隻(総計1550t)

1941年1月14日

:大西洋にて、ベルギー輸送船「ポルトガル」(1550t)撃沈

◆「バルバリーゴ」

:輸送船6隻、タンカー1隻、魚雷艇1隻(総計46173t)

1940年7月19日

ジブラルタル海峡にて、英輸送船「アギーラ」(3255t)撃沈
1941年5月15日

アイルランド沖にて、英輸送船「マンチェスター・ポート」(7071t)撃沈
1941年7月25日

ジブラルタル海峡にて、英輸送船「マーコン」(5135t)撃沈
1941年7月27日

:大西洋にて、英タンカー「ホーン・シェル」(8272t)撃沈
1942年1月23日

アゾレス諸島沖にて、スペイン輸送船「ナベマール」(5473t)撃沈
1942年5月29日

:大西洋にて、英輸送船「チャルベリー」(4836t)撃沈
1943年3月2日

:大西洋にて、米魚雷艇「スタグハウンド」(8591t)撃沈

1943年3月2日

:大西洋にて、ブラジル輸送船「アルフォンソ・ペンナ」(3540t)撃沈

◆「エーモ」

:輸送船3隻(総計15458t)

1940年9月14日

:大西洋にて、英輸送船「セイント・アグネス」(5199t)撃沈
1941年3月14日

:大西洋にて、英輸送船「イースタン・チーフ」(5759t)撃沈
1941年3月18日

:大西洋にて、英輸送船「クラン・マシバー」(4500t)撃沈

◆「モロシーニ」

:輸送船4隻、タンカー2隻、武装商船1隻(総計46651t)

1941年4月30日

:大西洋にて、英タンカー「バンクーバー」(5725t)撃沈
1941年7月15日

:大西洋にて、英輸送船「ルペルト・デ・ラニラガ」(5358t)撃沈
1941年7月15日

:大西洋にて、英武装商船「レディ・ソマーズ」(8194t)撃沈
1942年3月11日

:大西洋にて、英輸送船「スタンガース」(5960t)撃沈
1942年3月16日

:大西洋にて、オランダ輸送船「オシッラ」(6347t)撃沈
1942年3月23日

:大西洋にて、英タンカー「ペダー・ボーゲン」(9741t)撃沈
1942年7月19日

:大西洋にて、デンマーク輸送船「タイザ」(5327t)撃沈

◆「ダンドロ」

:輸送船3隻、タンカー2隻(総計21142t)

1940年8月16日

:大西洋にて、オランダ・タンカー「エルメス」(3768t)撃沈
1940年8月26日

:大西洋にて、英輸送船「アーヴィントン・コート」(5187t)撃沈
1941年1月31日

:大西洋にて、英タンカー「ピッツァッロ」(1367t)撃沈
1941年11月2日

:地中海にて、仏輸送船「タルヌ」(4220t)撃沈
1941年11月8日

:地中海にて、スペイン輸送船「カスティーリョ・デ・オロペーサ」(6600t)撃沈

◆「カッペリーニ

:輸送船3隻、タンカー1隻、武装商船1隻(総計31648t)

1940年10月15日

:大西洋にて、ベルギー輸送船「カバロ」(5186t)撃沈
1941年1月5日

:大西洋にて、英輸送船「シェイクスピア」(5029t)撃沈
1941年1月14日

:大西洋にて、英武装商船「ユーミーアス」(7472t)撃沈
1942年5月19日

:大西洋にて、スウェーデン輸送船「ティスナレン」(5747t)撃沈
1942年5月31日

:大西洋にて、英タンカー「ディンズデール」(8214t)撃沈

◆「ヴェニエロ」

:輸送船3隻(総計7113t)
1940年12月18日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「アナスタシア」(2833t)撃沈
1941年3月23日

:大西洋にて、デンマーク輸送船「アウネータ・マースク」(2104t)撃沈
1941年6月16日

:大西洋にて、英輸送船「アリオスト」(2176t)撃沈

◆「ナーニ」

駆潜艇1隻、輸送船1隻(総計1939t)
1940年10月5日

:大西洋にて、英駆潜艇キングストン・サンファイア」(356t)撃沈
1940年10月27日

:大西洋にて、スウェーデン輸送船「マギー」(1583t)撃沈

◆「モチェニーゴ」

:輸送船2隻、タンカー1隻(総計5244t)
1940年12月21日

:大西洋にて、スウェーデン輸送船「マンゲン」(1253t)撃沈
1940年12月22日

:大西洋にて、英輸送船「サラストーン」(2473t)撃沈
1942年3月15日

:地中海にて、仏タンカー「サン・マルサラ」(1518t)撃沈

 

◆ブリン級(Classe Brin)

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潜水艦「アルキメーデII」

ブリン級潜水艦はアルキメーデ級潜水艦の発展型で、ネームシップの「ベネデット・ブリン」を除き、開戦時は全て紅海のマッサワ基地に配備されていた。全5隻。紅海で活動した4隻は戦没した「トッリチェッリ」及び「ガルヴァーニ」を除き、東アフリカ戦線崩壊後は喜望峰を通ってボルドーのベータソム基地に到着。「ブリン」と共に大西洋艦隊に編入された。ブリン級は紅海及び大西洋にていくつかの戦果を挙げている。

◆「ブリン」

:輸送船2隻(総計7241t)
1941年6月13日

:大西洋にて、英輸送船「ジュールジュラ」(3460t)を撃沈
1941年6月13日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「エイリーニ・キリアキデス」(3781t)を撃沈

◆「ガルヴァーニ

哨戒艇1隻(総計661t)
1940年6月23日

オマーン沖にて、英領インド帝国哨戒艇「パターン」(661t)を撃沈

◆「グリエルモッティ」

:タンカー1隻(総計4008t)
1940年9月6日

:紅海にて、ギリシャ・タンカー「アトラス」(4008t)を撃沈

◆「トッリチェッリ」

駆逐艦1隻(総計2370t)
1940年6月23日

:ペリム島沖にて、英駆逐艦ハルツーム」(2370t)を撃沈

◆「アルキメーデII」
:輸送船1隻、兵員輸送船1隻(総計25629t)
1942年6月16日

:大西洋にて、パナマ輸送船「カルディーナ」(5586t)を撃沈
1942年10月9日

:大西洋にて、英兵員輸送船「オロンセイ」(20043t)を撃沈

 

リウッツィ級(Classe Liuzzi)

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潜水艦「アルピーノ・バニョリーニ」

リウッツィ級は1939年~1940年にかけて就役した大型航洋型潜水艦で、全4隻エーゲ海で戦没したネームシップの「リウッツィ」を除き、全てが大西洋艦隊で活動している。「バニョリーニ」は第二次世界大戦のイタリア海軍の潜水艦で最も早い段階で敵艦を撃沈したことで知られている(軽巡カリプソ」の撃沈)。また、「ジュリアーニ」はマルチェッロ級の「カッペリーニ」、マルコーニ級の「トレッリ」と共に極東に派遣された1隻でもあった。

◆「バニョリーニ」

軽巡洋艦1隻、輸送船2隻(総計11142t)
1940年6月12日

クレタ島沖にて、英軽巡カリプソ」(4180t)を撃沈
1940年9月18日

:大西洋にて、スペイン輸送船「カボ・トルトサ」(3302t)を撃沈
1940年12月19日

:大西洋にて、英輸送船「アミクス」(3660t)撃沈を撃沈

◆「タランティーニ」

:輸送船1隻(総計3040t)
1940年7月11日

:ハイファ沖にて、パナマ輸送船「ベーム」(3040t)を撃沈

◆「ジュリアーニ

:輸送船3隻(総計16104t)

1942年8月10日

:大西洋にて、英輸送船「メドーン」(5445t)を撃沈
1942年8月15日

:大西洋にて、米輸送船「カリフォルニア」(5441t)を撃沈
1942年8月16日

:大西洋にて、英輸送船「シルヴィア・デ・ラニラガ」(5218t)を撃沈

 

◆マルコーニ級(Classe Marconi)

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潜水艦「レオナルド・ダ・ヴィンチ

マルコーニ級は、マルチェッロ級と同様に大西洋での運用を想定して開発された大型航洋型潜水艦。1940年に就役し、全6隻。イタリア海軍No.1撃沈数を誇る「レオナルド・ダ・ヴィンチ」を始めとして、大西洋を中心に数多くの戦果を挙げ、イタリア海軍の潜水艦で最も成功した潜水艦のクラスであると言える。「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の戦果はドイツ潜水艦以外では最高の数値のため、同時期の世界各国の潜水艦の中でも成功した潜水艦と言えるだろう。また、「トレッリ」は極東に派遣された後、ドイツ海軍、日本海軍と渡り歩き、1945年8月30日にはアメリカ軍のB-25爆撃機を対空砲火で撃墜することに成功、これは第二次世界大戦時におけるイタリア潜水艦の最後の戦果として記録されている。

 ◆「レオナルド・ダ・ヴィンチ

:タンカー2隻、輸送船12隻、リバティ船2隻、兵員輸送船1隻(総計120243t)
1941年6月28日

:大西洋にて、英タンカー「オーリス」(8030t)を撃沈
1942年2月25日

:大西洋にて、ブラジル輸送船「カベデッロ」(3557t)を撃沈
1942年2月28日

:大西洋にて、ラトヴィア輸送船「エベラスマ」(3644t)を撃沈
1942年6月2日

:大西洋にて、パナマ輸送船「レイン・マリー・スチュワート」(1087t)を撃沈
1942年6月7日

:大西洋にて、デンマーク輸送船「チリ」(6956t)を撃沈
1942年6月10日

:大西洋にて、オランダ輸送船「アリオト」(5483t)を撃沈
1942年6月13日

:大西洋にて、英輸送船「クラン・マクアリー」(6471t)を撃沈
1942年11月2日

:大西洋にて、英輸送船「エンパイア・ジール」(7009t)を撃沈
1942年11月5日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「アンドレアス」(6566t)を撃沈
1942年11月10日

:大西洋にて、リバティ船「マーカス・ウィットマン」(7176t)を撃沈
1942年11月11日

:大西洋にて、オランダ輸送船「フェールハーヴェン」(5291t)を撃沈
1943年3月14日

:大西洋にて、カナダ兵員輸送船「エンプレス・オブ・カナダ」(21517t)を撃沈
1943年3月18日

:大西洋にて、英輸送船「ラルワース・ヒル」(7628t)を撃沈
1943年4月17日

:大西洋にて、英輸送船「スンビラン」(6566t)を撃沈
1943年4月18日

:大西洋にて、英輸送船「マナー」(8007t)を撃沈
1943年4月21日

:大西洋にて、リバティ船「ジョン・ドレートン」(7177t)を撃沈
1943年4月25日

:大西洋にて、英タンカー「ドルエッサ」(8078t)を撃沈

◆「マルコーニ」

駆逐艦1隻、輸送船7隻、タンカー1隻(総計24257t)
1940年7月11日

:地中海にて、英駆逐艦エスコート」(1970t)を撃沈

1940年9月19日

:大西洋にて、スペイン輸送船「アルミランテ・ホセ・デ・カランサ」(330t)を撃沈
1940年11月9日

:大西洋にて、英輸送船「ヴィンガランド」(2734t)を撃沈
1941年5月30日

:大西洋にて、英タンカー「カリンデール」(8129t)を撃沈
1941年6月1日

:大西洋にて、英輸送船「バロン・ロヴァット」(3395t)を撃沈

1941年6月1日

:大西洋にて、スウェーデン輸送船「タバーグ」(1392t)を撃沈

1941年6月1日
:大西洋にて、ポルトガル輸送船「エクスポルタドール・プリミエロ」(318t)を撃沈

1941年6月1日

:大西洋にて、名称不明の輸送船(3400t)を撃沈
1941年8月13日

:大西洋にて、ユーゴスラヴィア輸送船「スド」(2589t)を撃沈

◆「トレッリ」

:輸送船6隻、タンカー1隻(総計42968t)
1941年1月15日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「ネメア」(5198t)を撃沈
1941年1月15日

:大西洋にて、ノルウェー輸送船「ブラスク」(4079t)を撃沈
1941年1月16日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「ニコラス・フィニリス」(3111t)を撃沈
1941年1月28日

:大西洋にて、英輸送船「ウルラ」(5198t)を撃沈
1941年7月21日

:大西洋にて、ノルウェー・タンカー「イーダ・クヌドセン」(8913t)を撃沈
1942年2月19日

:大西洋にて、英輸送船「スコティッシュ・スター」(7224t)を撃沈
1942年2月25日

:大西洋にて、パナマ輸送船「エッソ・コペンハーゲン」(9245t)を撃沈

◆「ビアンキ

駆潜艇1隻、輸送船3隻(総計20065t)
1941年2月5日

:大西洋にて、英輸送船「ベルクレスト」(4517t)を撃沈
1941年2月23日

:大西洋にて、英駆潜艇マニスティー」(5360t)を撃沈
1941年2月24日

:大西洋にて、英輸送船「リナリア」(3385t)を撃沈
1941年2月27日

:大西洋にて、英輸送船「バルチスタン」(6803t)を撃沈

◆「バラッカ」

:輸送船2隻、タンカー1隻(総計9047t)
1940年10月1日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「アギオス・ニコラオス」(3687t)を撃沈
1940年11月18日

:大西洋にて、英輸送船「リリアンモーラー」(4866t)を撃沈
1941年9月5日

:大西洋にて、英タンカー「トリニダード」(494t)を撃沈

◆「マラスピーナ」

:輸送船5隻、タンカー1隻(総計24384t)
1940年8月12日

:大西洋にて、英タンカー「ブリティッシュ・ファーメ」(8406t)を撃沈
1941年7月8日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「ニコキリス」(3576t)を撃沈
1941年7月17日

:大西洋にて、英輸送船「グエルマ」(4402t)を撃沈
1941年9月

:大西洋にて、HG73船団輸送船3隻(約8000t程度)を撃沈

 

アンミラーリ級(Classe Ammiragli)

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潜水艦「アンミラーリオ・カーニ」

アンミラーリ級はイタリア海軍最大の排水量を持つ大型の潜水艦で、武装も魚雷発射管14門(前8門+後6門)、魚雷搭載本数36本を備え、主砲に47口径100mm二連装砲、更に対空砲としてブレダ社製の重機関銃を搭載した。これは実に、大戦間を通じて最大の数値であり、遠く孤立した海域でも通商破壊に従事できるようにと設計されていた。

計4隻が作られ、「カーニ」「カラッチョロ」「ミッロ」「サン・ボン」いずれも大戦勃発後の1941年に就役している。この大型潜水艦は多くの戦果を挙げることを期待されていたが、「カーニ」を除く3隻は、地中海では大型潜水艦の運用は極めて不向きだったにもかかわらず、大型のスペースを持つが故に輸送任務に従事することとなり、その結果大きな戦果を挙げることもなく地中海で戦没した。「カーニ」のみ、本来の任務地である大西洋で使われたが、戦果は僅か輸送船2隻の撃沈(+巡洋艦1隻の大破)にとどまっている。一方で、「カーニ」は136日間を海で過ごしてインド洋にまで進出し、これはイタリア潜水艦でも最長の航行任務期間となっている。

◆「カーニ」

武装商船1隻、輸送船1隻(総計5480t)
1942年11月3日

:大西洋にて、英武装商船「ダゴンバ」(3485t)を撃沈
1942年11月29日

:大西洋にて、ギリシャ輸送船「アルゴ」(1995t)を撃沈

 

◆プラティーノ級(Classe Pratino)

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潜水艦「プラティーノ

ラティーノ級はアドゥア級やペルラ級などと共に「クラッセ600」シリーズの潜水艦で、第二次世界大戦開戦後の1941年~1942年に掛けて就役した中型潜水艦だ。全13隻。そのため、様々な改良点が加えられており、就役時期故に戦争後半から活躍した。より強力な機関を搭載しており、速力が向上している。全てが地中海で活動しており、多くの戦果を挙げたが、連合軍側の対潜能力の向上によって苦戦を強いられた。

◆「プラティーノ

コルベット1隻、駆潜艇3隻(総計2242t)
1943年1月29日

アルジェリア沖にて、英コルベット「サンファイア」(1015t)を撃沈
1943年2月7日

アルジェリア沖にて、英駆潜艇3隻(409t×3=1227t)を撃沈

◆「アッチアイーオ」

駆潜艇2隻、敷設巡洋艦1隻(総計4818t)
1943年2月7日

アルジェリア沖にて、英駆潜艇「アーノルド・ベネット」(409t)を撃沈

1943年2月7日

アルジェリア沖にて、英駆潜艇「テルヴァーニ」(409t)を撃沈
1943年9月10日

ターラント沖にて、敷設巡洋艦「アブディール」(4000t)を撃沈

◆「アヴォリオ」

駆潜艇1隻(総計545t)
1943年2月5日

アルジェリア沖にて、英駆潜艇「ストロンゼー」(545t)を撃沈

◆「ブロンツォ」

:輸送船1隻(総計12668t)

1942年8月12日

チュニジア沖にて、輸送船「エンパイア・ホープ」(12668t)を撃沈

◆「ニケリオ」

魚雷艇1隻(総計115t)
1943年7月14日

メッシーナ海峡にて、英魚雷艇「MGB642」(115t)を撃沈

 

◆CB級(Classe CB)

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CB級ポケット潜水艦

CB級ポケット潜水艦は敵泊地攻撃の為に開発されたポケット潜水艦(僅か45t)で、1938年に開発されたCA級の発展型として1941年に開発されたものだ。航続距離も伸びて中距離攻撃作戦への投入も可能となった。対ソ戦が開始すると、イタリア海軍派遣部隊の一員として5隻のCB級ポケット潜水艦が陸路で黒海に派遣された。黒海では本来の用途である敵泊地攻撃を行わず、通常の潜水艦と同様に哨戒任務や待ち伏せ攻撃に従事し、CB級はそれなりの戦果を挙げた。黒海において活動した唯一のイタリア潜水艦である。

◆CB級ポケット潜水艦(CB-2, CB-3, CB-4)

:潜水艦5隻(総計4255t)

1942年6月15日

黒海にて、ソ連潜水艦「S32」(1070t)を撃沈
1942年6月18日

黒海にて、ソ連潜水艦「SHCH206”ネルマ”」(705t)を撃沈
1942年8月23日

黒海にて、ソ連潜水艦「SHCH208」(705t)を撃沈
1943年8月26日

黒海にて、ソ連潜水艦「SHCH203」(705t)を撃沈
1943年8月29日

黒海にて、名称不明のソ連潜水艦(1070t)を撃沈

 

クラスごとで撃沈戦果をまとめてみると以下の通り。

バリッラ級(全4隻) 総計1575t

:潜水艦1隻

マメーリ級(全4隻) 総計2932t
武装商船2隻

スクアーロ級(全4隻) 総計13498t
軽巡洋艦1隻、潜水艦1隻、タンカー1隻

アルゴナウタ級(全7隻) 総計1913t
駆逐艦1隻

アルキメーデ級(全2隻) 総計8215t
:タンカー1隻

シレーナ級(全12隻) 総計12695t
:タンカー1隻、輸送船3隻

グラウコ級(全2隻) 総計4662t
:輸送船1隻

カルヴィ級(全3隻) 総計174432t
:タンカー7隻、輸送船24隻

ペルラ級(全10隻) 総計27321t
軽巡洋艦1隻、輸送船7隻

アドゥア級(全17隻) 総計128323t
:戦艦2隻、軽巡洋艦1隻、駆逐艦2隻、駆潜艇1隻、掃海艇1隻、タンカー5隻、輸送船3隻

アルゴ級(全2隻) 総計20974t
:輸送船2隻、砲艦1隻

マルチェッロ級(全11隻) 総計176918t
駆潜艇1隻、魚雷艇1隻、武装商船2隻、タンカー7隻、輸送船26隻

ブリン級(全5隻) 総計39909t
駆逐艦1隻、哨戒艇1隻、兵員輸送船1隻、タンカー1隻、輸送船3隻

リウッツィ級(全4隻) 総計30286t
軽巡洋艦1隻、輸送船6隻

マルコーニ級(全6隻) 総計240964t
駆逐艦1隻、駆潜艇1隻、兵員輸送船1隻、リバティ船2隻、タンカー6隻、輸送船35隻

アンミラーリ級(全4隻) 総計5480t
武装商船1隻、輸送船1隻

ラティーノ級(全13隻) 総計20388t
敷設巡洋艦1隻、コルベット1隻、魚雷艇1隻、駆潜艇6隻、輸送船1隻

CB級(全5隻※黒海に派遣されたもののみ) 総計4255t
:潜水艦5隻

 


これを合計すると、
第二次世界大戦時のイタリア潜水艦による撃沈トン数は

総計914740tである。
内訳は、戦艦2隻、軽巡洋艦4隻、敷設巡洋艦1隻、駆逐艦5隻、潜水艦7隻、コルベット1隻、砲艦1隻、魚雷艇2隻、駆潜艇9隻、掃海艇1隻、哨戒艇1隻、兵員輸送船2隻、武装商船5隻、リバティ船2隻、タンカー29隻、輸送船112隻

 

とまぁこんな感じである。イタリア潜水艦はドイツ潜水艦同様に、主に外洋である大西洋で大きな戦果を挙げた。地中海は透明度が高いため、潜水艦の運用は不向き(であるにもかかわらず伊英両国共に潜水艦を多用したが)であるため、特殊作戦(ジブラルタル攻撃、アレクサンドリア港攻撃、アルジェ港攻撃)を除いてそこまでの撃沈数ではない。紅海については以前の記事で紹介したようなトラブルによって、本来の力を発揮できずに少数の戦果に留まった。