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名提督はプレイボーイ? 伊海軍が誇る名指揮官、アルベルト・ダ・ザーラ提督の女性遍歴

久々の更新です。第二次世界大戦時のイタリア海軍提督たちの素性(?)を調べていく内に、興味深い情報を色々見つけたので備忘録的なノリで書いていこうと思います。

 

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アルベルト・ダ・ザーラ提督

第二次世界大戦時のイタリア海軍の提督の中で最も勇敢であるとされ、パンテッレリーア沖海戦では僅か軽巡2隻と駆逐艦7隻の艦隊で、戦艦や空母を含む大規模な英艦隊相手大勝利を手に入れた名指揮官、アルベルト・ダ・ザーラ提督(Alberto Da Zara)

そんなイタリア海軍を代表する名指揮官であるダ・ザーラ提督も興味深い話があった。それは女性遍歴である。

ダ・ザーラ提督は結構なプレイボーイだったそうで、特に海外勤務時には「現地妻」を作ることでも知られた。冒険的な性格であった彼は社交界での存在感も強く、よく女性にモテたそうだ。彼に「征服」された女性の数は数知れず。特に有名なエピソードとしては、後に英国王エドワード8世の妻となるウォリス・シンプソンと中国勤務時に一夜を共にしたことがある。エドワード8世とウォリス・シンプソンは「王冠を掛けた恋」で知られている。

イタリア海軍を代表する名指揮官が、「絵に描いたようなステレオタイプなイタリア人イメージというのは興味深い。まぁ、指導者であるムッソリーニも多くの愛人を作った女性遍歴で知られていることを考えると、別に不思議ではないか。なお、ダ・ザーラ提督はそんな遊び癖があったからか、生涯独身を貫き、結婚することはなかった

 

女性遍歴だけでも興味深いが、女性以外にもダ・ザーラ提督が愛したものはあった。それは馬と詩とスポーツである。実家が騎兵一家であったことから、幼いころから馬に親しんだダ・ザーラ提督は、よく愛馬と時を楽しんだ。父パオロ(Paolo Da Zara)は騎兵将校で、弟グイード(Guido Da Zara)も騎兵将校としての道を歩んだため、海軍軍人としての道を歩んだアルベルト(ダ・ザーラ提督のこと)は少し異例かもしれない。なお、弟グイード第二次世界大戦中、ダルマツィアでユーゴ・パルチザンの襲撃を受けて戦死している。

ダ・ザーラ提督は詩が好きな文学愛好家で、中国勤務時は中国文化にも触れて漢詩も親しんでいる。パンテッレリーア沖海戦では敵艦隊に一度海域離脱を許した際に、「何も言うことはない。流石は海のマエストロだよ(Non c'è che dire: gli inglesi per mare sono maestri.)」と詩的なセリフを言ったのは、こういった経歴に由来するかもしれない。

また、スポーツマンであったダ・ザーラ提督は、特にセーリングで高い成績を収めていた。運動も出来て、馬や文学を愛し、紳士的でアグレッシブだった人柄故に、女性からも好かれたのだろう。

 

◇参考文献

Alberto Da Zara, Pelle d'ammiraglio, Uff. Storico Marina Militare, 2014

Arrigo Petacco, Le battaglie navali del Mediterraneo nella seconda guerra mondiale, Mondadori, 2013