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イタリア航空機が登場する戦争映画・アニメ作品と、登場する航空機をまとめてみた!

以前、イタリア戦争映画をブログでいくつか紹介したが、イタリア空軍映画については紹介していなかった。これは、自分自身が当時イタリア空軍について全く無知であったからであるが、ある程度イタリア空軍の知識が増えてきたので、これを機に色々調べてみた。そうしてみたら、今まで見た映画やアニメの中にもいくつかのイタリア機が登場していることがわかったので、今回のブログ更新では、これらのイタリア航空機が登場する映画作品やアニメについていくつか紹介してみようと思う。

今回は以下の11つの作品を紹介

映画『ギリシャからの帰還』
映画『I 3 aquilotti(三人の新米飛行士)』
映画『アルファ、タウ!』
映画『ゲルニカ
映画『Gente dell'aria(空の人々)』
映画『戦場のアウトローロンメルを殺れ!』
映画『空征かば』
映画『油田基地大爆破』
アニメ映画『紅の豚
アニメ映画『風立ちぬ
テレビアニメ『ストライクウィッチーズ2

テレビアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』

これらの作品に登場する航空機もまとめてみたが、ここではイタリア機のみ紹介

 

◆『ギリシャからの帰還』

―Un pilota ritorna―

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ギリシャからの帰還(Un pilota ritorna)』

映画『ギリシャからの帰還(原題:Un pilota ritorna)』は、1941年公開のイタリア戦争映画。監督はイタリア映画界の巨匠ロベルト・ロッセリーニ監督。主人公はイタリア空軍の爆撃機パイロットで、ギリシャ戦線での爆撃任務を描いている

この作品は、テウラダ岬沖海戦や病院船の活躍を描いた『La nave bianca(邦題:白い船)』、東部戦線に従軍する従軍司祭(エチオピア戦争で戦死したレジナルド・ジュリアーニ司祭がモデル)を描いた『L'uomo dalla croce(邦題:十字架の男)』と並び、「ファシスト戦争映画三部作(Trilogia della guerra fascista)」と呼ばれている(いずれもロッセリーニ監督の作品)。

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ギリシャからの帰還』のCANT Z.1007"アルチョーネ"爆撃機

◇登場航空機

+CANT Z.1007 bis"アルチョーネ"三発爆撃機

サヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"三発爆撃機

サヴォイアマルケッティ SM.81"ピピストレッロ"三発爆撃機

サヴォイアマルケッティ SM.82"カングーロ"三発爆撃機

これらのイタリア航空機が登場する。主人公が操縦しているのがCANT Z.1007 bis"アルチョーネ"三発爆撃機で、舞台はギリシャ戦線。なお、CANT Z.1007"アルチョーネ"三発爆撃機が出てくる世界で唯一の映画作品でもある。しかも戦時中に撮影された映画なので、実物を使用している(現在はZ.1007"アルチョーネ"実機は現存していない)

それ以外にも、サヴォイアマルケッティ社製の爆撃機3種が登場する他、イタリア機ではないが、敵側(英国空軍)として実機のハリケーン戦闘機やブレニム爆撃機が登場。これらはユーゴスラヴィア空軍からの鹵獲品だそうだ。

 

◆『I 3 aquilotti』

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映画『I 3 aquilotti』のワンシーン。中央が若きアルベルト・ソルディ演じる飛行士フィリッポ。

映画『I 3 aquilotti』は、1942年公開のイタリア戦争映画。

タイトルの"I 3 aquilotti(イ・トレ・アクイロッティ)"は日本語で『三人の新米飛行士』を意味する(Aquilottiは「飛行士の卵」という意味の俗語であるため)。監督はマリオ・マットーリ主役は三人のイタリア空軍の新米飛行士たちだが、その一人であるフィリッポ・ナルディーニは若かりし頃のアルベルト・ソルディが演じている。めっちゃ若いのでなんか新鮮。ソルディが好きな人は是非。

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『I 3 aquilotti』のマッキ MC.200"サエッタ"戦闘機。

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『I 3 aquilotti』のカプロニ Ca.311偵察爆撃機

◇登場航空機

+マッキ MC.200"サエッタ"戦闘機

+カプロニ Ca.311偵察爆撃機

+IMAM Ro.41練習戦闘機

こちらの機体が登場。映像の質が良いため、くっきり航空機が見えるのも魅力だ。

 

◆『アルファ、タウ!』

―Alfa Tau!―

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『アルファ、タウ!』

映画『アルファ、タウ!』は1942年公開のイタリア映画。以前のブログ更新でも紹介した映画だが、第二次世界大戦時のイタリア海軍の潜水艦「エンリコ・トーティ」の活躍を描いた映画である。監督はフランチェスコ・デ・ロベルティス。海軍モノだが、いくつかの空軍航空機も登場する。下のリンクに過去のブログ記事を貼っておくので、是非見てほしい。

https://associazione.hatenablog.com/entry/2018/09/04/222314

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『アルファ、タウ!』のCANT Z.506"アイローネ"水上機

◇登場航空機

+CANT Z.506"アイローネ"水上機

サヴォイアマルケッティ SM.84雷撃機

+ブレダ Ba.25"イドロ"水上機仕様

これらの航空機が登場する。特に、作品の中盤で海上に不時着したCANT Z.506"アイローネ"が登場するシーン。潜水艦「トーティ」はこの水上機に燃料を分け与え、無事に離水して空に飛ぶシーンがあるため、作品を見た人は記憶に結構残っているだろう。

 

◆『ゲルニカ

―Guernica―

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ゲルニカ

映画『ゲルニカ(原題"Guernica")』は2016年公開のスペイン映画。文字通り、スペイン内戦中のゲルニカ爆撃を題材とした作品である。ドイツ・イタリア空軍によるゲルニカへの爆撃の恐ろしさを描いているが、ゲルニカ爆撃を題材にした作品としては初の長編映画、らしい。今までなかったのは少々意外である(短編映画はある)。

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ゲルニカ』のサヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"爆撃機

◇登場航空機

サヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"三発爆撃機

登場する航空機は当然ながら、リヒトホーフェン率いるコンドル軍団のドイツ爆撃機がメインなのだが、ちょろっとイタリアの派遣空軍部隊のサヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"三発爆撃機も登場する。

 

◆『Gente dell'aria

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『Gente dell'aria

映画『Gente dell'aria(ジェンテ・デッラリア)』は1943年公開のイタリア戦争映画。"Gente dell'aria"は「空の人々」を意味する。監督はエソード・プラテッリ

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『Gente dell'aria』のMC.200"サエッタ"戦闘機。

◇登場航空機

+マッキ MC.202"フォルゴレ"戦闘機

+マッキ MC.200"サエッタ"戦闘機

サヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"雷撃機仕様

サヴォイアマルケッティ SM.84bis雷撃機仕様

+CANT Z.506"アイローネ"水上機

これらの航空機が登場する。種類も結構多い。流石は空軍協力で作られた作品である。当然、出てくるのも全部実物。実物のマッキ MC.202"フォルゴレ"戦闘機が出てくる(現在確認している作品の中で)唯一の映画作品であるが、少ししか登場しない。

 

◆『戦場のアウトローロンメルを殺れ!』

—Uccidete Rommel―

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『戦場のアウトローロンメルを殺れ!』

映画『戦場のアウトローロンメルを殺れ!(原題:Uccidete Rommel)』は、1969年公開のイタリア戦争映画。監督はアルフォンソ・ブレシア(アル・ブラッドレー)北アフリカ戦線を舞台としたマカロニ・コンバット映画である。

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『戦場のアウトロー』のサヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"。

◇登場航空機

+マッキ MC.202"フォルゴレ"戦闘機

サヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"三発爆撃機

これらの航空機が登場する。しかし、これらの航空機はハリボテで実機ではない。SM.79の完成度は良いが、MC.202のレプリカはかなり見た目が残念。実機の航空機ではチェコスロヴァキアのズリン社製Z.181が登場。

 

◆『空征かば』

—Luciano Serra, pilota―

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『空征かば』

映画『空征かば(原題:Luciano Serra, Pilota)』は1938年公開のイタリア戦争映画ムッソリーニ統帥の長男であるヴィットーリオ(彼は映画脚本家だった)が総指揮を執った、ゴッフレード・アレッサンドリーニ監督の作品。ルチャーノ・セッラ(日本語ではセルラ)という架空のエースの生涯を描いているヴェネツィア国際映画祭では最高賞のムッソリーニ杯を受賞している作品だ。

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『空征かば』のブレダ Ba.65"ニッビオ"地上攻撃機

◇登場航空機

+ブレダ Ba.65"ニッビオ"地上攻撃機

+カプロニ A.P.1地上攻撃機

+カプロニ Ca.111輸送機

+カプロニ Ca.133爆撃機

+IMAM Ro.1偵察機

+FIAT CR.32戦闘機

サヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"三発爆撃機

サヴォイアマルケッティ S.56水上機

+SIAI S.16ter偵察水上機

これらの航空機が登場する。非常に多い。しかも、レダ Ba.65"ニッビオ"地上攻撃機やカプロニ A.P.1地上攻撃機といった、他の映画ではまず見ないような珍しいマイナー機も多く登場している。流石である。勿論、全部実物だ。

 

◆『油田基地大爆破』

―La colomba non deve volare―

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『油田基地大爆破』

映画『油田基地大爆破(原題:La colomba non deve volare)』は、1970年公開のイタリア戦争映画。監督はセルジョ・ガッローネ。時は1943年、戦況が厳しい枢軸軍は連合軍の進撃を止めるためにバーレーンの油田を爆撃しよう!ということで、スパイが爆撃機の途中の給油基地を設けようとするが、連合軍側がそれを防ごうとする、という両軍の攻防戦を描いている。

最初この映画の存在を知った時は、1940年のムーティ中佐が指揮したバーレーンサウジアラビア油田への長距離爆撃かと思ったが、そうではないようだ。実際にこのような作戦が行われたかは調べていないのでわからない。

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『油田基地大爆破』のサヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"爆撃機

◇登場航空機

サヴォイアマルケッティ SM.79"スパルヴィエロ"三発爆撃機

+FIAT BR.20"チコーニャ"双発爆撃機

これらの航空機が登場する。作中の実際の映像に二機が登場するほか、SM.79のレプリカが登場。完成度は結構良くできている。なお、1940年のバーレーン爆撃だと、用いられた機材はSM.79ではなく、SM.82"カングーロ"三発爆撃機である。

 

◆『紅の豚

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紅の豚』の主人公ポルコの愛機、サボイアS.21。架空機であるが、実際に存在するマッキ M.33とSIAI S.21をモデルにしている。

アニメ映画『紅の豚』は、日本のスタジオ・ジブリが制作した長編アニメーション作品。監督は宮崎駿監督だ。イタリア機が登場する日本のアニメ、といったらやはり知名度が高いのはダントツでこれだ。現在においてもイタリア機が主役の日本アニメの代表作である...いや、そもそも他にイタリア機が主役のアニメってあるの?

戦間期のイタリア(すなわちファシスト政権期)、アドリア海を舞台として、元イタリア陸軍航空隊パイロットで、賞金稼ぎをする"豚"「ポルコ・ロッソ」が、空賊たちやアメリカからやってきたパイロット「ドナルド・カーチス」と戦う物語。

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紅の豚』のマッキ M.5水上戦闘機

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紅の豚』のサヴォイアマルケッティ S.55水上爆撃機

◇登場航空機

+サボイア S.21試作戦闘飛行艇(架空機だが、マッキ M.33とSIAI S.21がモデル)

+マッキ M.5水上戦闘機

+マッキ M.39水上機 or マッキ M.52水上機

+マッキ M.7水上戦闘機

サヴォイアマルケッティ S.55水上爆撃機

+FIAT CR.20戦闘機

これらの航空機が登場する。主人公であるポルコが乗っている機体は「サボイア S.21」という名前で、SIAI S.21から名前を取っているが、モデルになっている機体はマッキ M.33水上機第一次世界大戦時のマルコ・パゴット(後のポルコ)が乗っている機体がマッキ M.5水上戦闘機オーストリア軍との空戦を繰り広げている。

ポルコの戦友であるフェラーリン少佐(アルトゥーロ・フェッラーリンがモデル)が乗る機体はマッキ M.39とその発展形であるM.52の両方の機体の特徴がミックスされた架空機となっており、ポルコとフィオがミラノを脱出する際に道案内をする。

ジーナが持っている機体として、M.7が登場。また、ポルコとカーチスの決闘に仲裁に入ろうとするイタリア空軍機として、サヴォイアマルケッティ S.55水上爆撃機、更にその護衛機としてCR.20戦闘機が登場している。

 

◆『風立ちぬ

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風立ちぬ』のワンシーン。ジャンニ・カプロニ本人が登場。

アニメ映画『風立ちぬ』は、日本のスタジオ・ジブリが制作した長編アニメーション作品。監督は宮崎駿監督。またまたジブリ作品である。宮崎駿監督のイタリア機愛は計り知れない。それもそのはずで、そもそもスタジオ・ジブリの名前の元ネタは、第二次世界大戦時のイタリア空軍の偵察爆撃機「カプロニ Ca.309"ギブリ(Ghibli)"」である。"Ghibli"はイタリア語でアフリカの熱風のことであるが、"Ghi"はイタリア語で「ギ」と発音するが、日本語では「ジ」と発音するため、「ジブリ」と勘違いして名付けたとかなんとか。この機体は未だに日本語wikiすら存在しないドマイナー機な上に、当時となれば日本で読める資料なんて限られてくるので、発音間違いは仕方ない。

そんなイタリア機愛溢れる宮崎駿監督の作品がこれ、『風立ちぬ』だ。『紅の豚』と並ぶ航空機アニメ。こちらは主役は日本機であるが、イタリア機....特にスタジオ・ジブリの名前の元ネタとなった機体を生み出したカプロニ社の航空機が数多く登場する。というか、そのカプロニ社を作ったジャンニ・カプロニ氏が本人役として登場する(正確にはモデルとした人物らしいが)。

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風立ちぬ』のカプロニ Ca.90重爆撃機

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風立ちぬ』のカプロニ Ca.60試作飛行艇

◇登場航空機

+カプロニ Ca.33重爆撃機

+カプロニ Ca.48旅客機

+カプロニ Ca.60試作飛行艇

+カプロニ Ca.73軽爆撃機

+カプロニ Ca.90重爆撃機

これらの航空機が登場する。登場するイタリア機は全てカプロニ社製の航空機である。中でも、「イタリア屈指の"変態機"」と称される超巨大試作飛行艇カプロニ Ca.60が出てくるのは凄い。9枚の翼を持ち、8基のエンジンで動くという、文字通り「巨人機」であった。ただ、結局安定した飛行は出来ていない。その他、カプロニ社の歴史的な機体が数多く登場する。当時最大の陸上航空機だったCa.90なんかも面白いだろう。

 

◆『ストライクウィッチーズ2

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ストライクウィッチーズ』の主要キャラ、フランチェスカ・ルッキーニ。第二次世界大戦時のイタリア空軍のエース、フランコ・ルッキーニがモデルだ。

テレビアニメ『ストライクウィッチーズ2』は、島田フミカネ氏原作の日本のアニメ作品『ストライクウィッチーズ』の第二期。監督は高村和宏監督。舞台がイタリアをモデルとするロマーニャ公国に移ったため、当然ながらそのモデルとなったイタリアの航空機や艦艇も登場することとなった。『ストライクウィッチーズ』作品では第二次世界大戦時のイタリア空軍のエースパイロットをモデルとしたキャラクター(ウィッチ)が数多く登場するので、以前ブログで書いた記事を参照して欲しい。

https://associazione.hatenablog.com/entry/2019/03/01/151449

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ストライクウィッチーズ2』のマッキ MC.202"フォルゴレ"戦闘機

◇登場航空機

+マッキ MC.202"フォルゴレ"戦闘機

作中のロマーニャ公国空軍の主力戦闘機として、マッキ MC.202"フォルゴレ"が登場する。史実でも数々のエースを輩出し、中盤のイタリア空軍主力機として活躍した傑作機だ。ロマーニャ空軍の機体は国籍マークに古代ローマ帝国の象徴たる"S.P.Q.R."の文字が刻まれているのが興味深い。

 

◆『戦翼のシグルドリーヴァ』

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テレビアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』の主人公の機体はグラディエーターだが、仲間の機体としてM.C.72が登場する。右上を注目。

2020年10月から放送開始された『戦翼のシグルドリーヴァ』にも、イタリア機が登場する。『戦翼のシグルドリーヴァ』、略して「シグルリ」。シリーズ構成・脚本を長月達平、キャラクター原案を藤真拓哉、世界観設定・設定考証を鈴木貴昭が担当する空戦ファンタジー。監督は徳田大貴氏。なお、設定的に登場する機体は戦前の機体を「模している」だけであるようで、実際のスペックとは遠く離れたものであることは理解して欲しい。そりゃレース水上機で戦闘は出来んからね。イタリアにはレース機から発展した軍用機が確かにあったりしたけれども...

 

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作中に登場する「M.C.72R」。レース機を雷撃機仕様、更に機銃を搭載して戦闘可能にするとは中々やりおる。ブッ飛んだ設定だけれど、『紅の豚』以来のイタリア水上機の戦闘シーンが見れるのは素晴らしい。

◇登場航空機

+マッキ M.C.72R水上雷撃戦闘機

主人公機はグラディエーターだが、仲間の渡来・園香の機体として「M.C.72R」が登場する。この機体は実際に存在するレース水上機M.C.72」を雷撃戦闘機仕様に改造したという設定のロックな機体だ。当然だが、本来の「M.C.72」はレース水上機であるため、魚雷はおろか機銃すら搭載していない。そりゃ戦闘用じゃないからね。

設計者は第二次世界大戦時のイタリアの傑作戦闘機として知られるMC.202やMC.205Vを生み出したマリオ・カストルディ技師。そんなわけだから頑張れば戦闘用に出来たかもしれない。いや、やっぱ無理かな....

M.C.72の実物はブラッチャーノ近郊のヴィーニャ・ディ・ヴァッレ空軍歴史博物館にて展示されている。生産数は僅か5機で、これが世界で唯一現存する機体だ。

 

ざっとこんな感じである。他にも、ソフィア・ローレン主演の映画『特別な一日』には作中の映像でFIAT CR.20戦闘機が、アカデミー賞受賞で知られる『セブン・ビューティーズ』ではFIAT CR.42"ファルコ"戦闘機が作中の映像で登場するなど、いくつかイタリア機が出てくる作品があるが、ここでは割愛。

イタリア機が出てくる映画、確かに英米独日あたりに比べれば数は少なくなるものの、別にそんなにめちゃくちゃ少ない、というわけではないことがわかった(とはいえ、その多くが戦時中映画というのも事実だが)。今後もこう言った感じで調べていきたい。